pianistという題名の映画である。この、主役の人が、苦手で見なかったのだが、もう好き嫌いで考える場合でもない。
ついテレビでやっていて、最後の場面見てしまったが、曲が上品でよろしい。何か、悲しみが、深々と伝わってきて、涙が出てきそうになる。主役のエイドリアンが、ただ淡々とピアノを弾いている。ただそれだけなのに、なぜ?分からないが、生きるということに、つい感動したんだろう。
この物語は、シュピルマンというピアニストが、戦争を生き抜いた記録でもある。
あのひょろりとした主役のおっさん (エイドリアン)も、パンなんか食べて生きているんかと思うと、感動した。
この人のファンは意外と根強そうな気がする。
淡々と、弾かれる結構長めの曲に、人生が映ってゆく。
ショパンが、心に染みるような曲を作ったことも感心した。
ドイツナチスが、ユダヤ人を迫害する最中にあって、あるドイツ将校が、隠れているシュピルマンに食物や、コートを与えた。
将校がシュピルマンの弾くピアノに魅せられたからだった。だが、その後、将校は、ソ連に捕らえられ亡くなった。
シュピルマンは、生き延びて、ピアノを弾き続けた。ただ、多くの人々が亡くなっていて、すべてが、レクイエムのように聞こえるのである。
ロマンポランスキー監督は、子供時代から、大人になっても、究極の痛々しい人生を送ってきた人だ。
その体験が、ローズマリーの赤ちゃんから、ピアニストまで、作品を作る原動力となったのではないか。