スッポコがまだ2才の幼児の頃かあ、全く知らなかったな。
面白い娯楽映画としてこんなものがつくられていたとはね。
マクベスのリメイク、戦の帰りに森に迷い込む。そこで出会った魔女か、山姥か、妖怪かと言った老婆に出会う。彼女は糸取りをしながら、予言を吐く。
この女は、浪花千栄子が演じた。その抑えた演技が良かった。
山が動くまでは、負けないとの予言であった。夜明け方、大きな木々が城に近づいてきた。まるで、山が動いているように見える。ただ切ったばかりの木は重くとても持ち上げて動かせない重量がある。
ざわざわと木全体がなびく様子は、本物の木とは思えない。多分作ったものだろう。
しかし上手い演出だったと思う。
自分の王を葬り去った三船と、山田は、だんだんと幻覚などに苛まされてゆく。特に妻の山田は、美しい着物や、錦糸銀糸の羽織ものを着ながら憔悴してゆく。手が血に染まる幻覚から、いっときも離れることができなくなる。どちらにしても、飯粒も口にできぬようになって死が訪れるであろう。
三船は意気込んでいたが、森が動いてから、兵士たちに見捨てられて敵に攻められて死んでゆく。
本物の弓矢の名人、選手たちが打った矢が、次々と体の周りに打ち込まれるシーンは、実際のもので、
主役の三船も脂汗であったという。
広い丘の上の蜘蛛巣城の立地は、その後も、影武者などで使われたと思われるお城周辺の様な雄大なロケ地であった。