華道の家元 月島家の長女ももの結婚は結婚式の直前に絶たれた。もう籍が入れられており、バツイチになる羽目に。だからと言って、親の決めた相手であり、あんなに苦しんで自暴自棄になるのはおかしいし、無理がある。ー
月島家の大きな汚点となり主人公のももは狂ったようになる。逃げた男を自転車でストーカーする毎日に、自分でもヘトヘトになっている。たまたま通りすがりの自転車屋で、自転車を修理してもらう。峯岸は、ももの苦しみを見てとり、慰めた。というより、会話をしただけであったが。
彼には不思議な力があり、ひとを癒す力を秘めていた。彼に会った人は、たいていの問題を抱えていてもなぜだか癒されてゆく。
月島家はおおきな華道の家元であり、何百年も続く歴史があったーそこの長女で後継のももは、超お嬢様であった。
コレを「高嶺の花」と言う。人々が届かぬような高く危険な岩肌のてっぺんに咲く一輪の花のような存在である。
庶民には手の届かない場所に生きている、という設定。
ももの母親は娘を産んですぐ亡くなっていた。甘える事を、許される事を、経験していないももは、頑なでもあった。わざと羽目を外して暴れてしまうのだ。愛に飢えた蝶のようなももであった。
其れを受け止めたのは、町の自転車店の店長。家柄も何もないが、友人には恵まれている。
二人は愛し合うようになるが、周囲の状況は人間関係がグチャグチャになって、波乱ばかり起こる。
家元をめぐる争奪戦などなど。
そもそも、ももは家元になるべく天分を持ち天才と視された女性であった。華道という芸術に身も心も捧げようと強く思う一方、庶民の峯岸のことが忘れられずにいた。
峯岸の亡くなった母親役に十朱幸代、家元のお付きの者にかしまし娘の二姉妹が出演して、より楽しくなるドラマ。 勿論花々も美しい。ひさびさに十朱の演技を見たが、結構良くなっていた。80才だそうだ。この人は父親の晩年に生まれたこともあり、ひどいファザコンで父親の絵の演劇経歴の自慢ばかりしていた記憶がある。なんか、大変な家系らしい。変な女優さんであった。周囲も2世として持ち上げていたし、生まれた時期が悪かったのかもしれない。現代に近い時代に活躍していたら、自由に一世風靡できただろう。
もっと力を発揮できただろうにと。