スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

リルケを読むと: 小品

リルケの全集に小品という作品があり、いくつかのそれこそ小品が並べられている。随筆というのだろうか。

ただ、今まで読んできた中では、一番伸び伸びと言葉が生まれ成長してと言った柔らかさが見える。安心した!だって、リルケを読む時はいつも緊張するし、一字一句が大切と思い集中もするので。このように伸び伸びとしたリルケはこちらも嬉しいし、とてもおいしい小さなケーキでもあげて食べてもらい、紅茶も淹れてあげたくなる。

ただ、この小品の「手記」の章にはやはり、人の度肝を抜くような話がのっている。

とうの昔に自由になった男が死ねなかったとすれば、知らず知らずに、死のそばを通り過ぎてしまったからではないのかと、推論づけるリルケ。他にも何篇かあるので、読めばきっと面白いだろうとおもう。

人のように死をめざして進むのではなく、反対に、死へと戻ってゆくというような径路をとるのだった。ちょっと??だわ。

リルケ汽水湖のような人というか、常識的な凡人とアウトサイダーとの間を行ったり来たりしているように見える。ただアウトサイダーの事を凡人にお知らせする役目を背負ってしまったせいで、ぼんじんとみられることもあろう。奇才の人であるのは確かなんだが。

彼は職業として文学を選び文学のために、書いて書いて書きまくったんだ。

藩人半魚、半人半河童、気の毒(かわいそう)な人と言われたって、何のその。彼は、我ら凡人を救わんが為の文学を打ち立てた恩人でもある!

彼は生粋の文学人であり、神のこと ヨーロッパ、ロシアの国々の歴史を研究もしたのかやけに詳しく信憑性もあるのが信頼できる所以である。

イワン雷帝(ロシアの始祖)の偽りの事なんか、何故知って居るのだろう。