御涙頂戴の映画なんて見たくないし、この主人公のように生まれつき顔の変形を持って生まれてきた人たちに、見ることは申し訳ないや…、とおもっったりで見なかったと言えばよいのか。まあ、あらすじは、見なくても分かるような気のする作品だったから、と言うのもひとつだ。ジュリアロバーツがお母さん役って、ほんまかいな、やる気あんのか君。
だが、なかなかにうまくできている作品だったので、驚いた。この世に驚くことはたくさんあるけれど、普通に生きている人々にもいろいろな人生があるのだと気付かせてくれる。いい意味で ドラマチックだった。
サマーキャンプの大盛り上がりは、アメリカ過ぎてついて行けない。でもこれは私の場合いつものことだよね。
少年の姉が劇に出て舞台の上で、「さようならこの世、素晴らしすぎるこの世界。お別れね、」と言うくだりにはまいった。世界の文豪顔負けの文学的言葉。セリフ。素晴らし過ぎる。
きっと、ずっと、心に残るものだった。
この世とは、多くの人々が暮らすべくして暮らす、そんな人間たちの生活の営みがそこにあるのだと言う肯定感に作者のとても美しい夢見るような創造性が裏打ちされているのが、わかるのである。
それも良く気をつけていないと分からないかもしれないと言うぐらいの微かなものなので、なおさら素晴らしいのである。
リルケの言葉で受け売りだが、「芸術家に最も大切なものは良心である」てことだな。
わたしじしんの良心なんて、ほんと、毛虫のような物なんだが、なんとかならんものかね。