スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

永遠の門  ゴッホの見た未来   ジュリアン  シュナーベル監督  2018年

この監督自体が、画家なわけ。ゴッホが好きなんかなあ?主演は、スパイダーマンの悪人役のウィレム・デフォーだった。

ベラスケス,ゴヤドラクロワ  ルーベンスなどが好きだったゴッホは、またモネもすきだったらしい。ゴーギャンと芸術家村で、ルノワール、モネなどの時代は終わった。今度は俺たちの時代だ!と豪語する二人だった。ゴッホ派でもモネは好きだとモゾモゾ言った。彼の絵は何処に出しても評価は悪く、飾ることも拒否されていた。

ゴーギャンとも内輪ケンカして、一緒に暮らせないとゴーギャンに置いてきぼりを食らったのだ。ゴーギャンはよくゴッホに、ゆっくりと、ものを見定めて描く方が良いと、君の筆はあまりに早すぎて、厚塗りで、と注意をしていた。それも気に食わないゴッホだった。

 

上記の画家などは、一気に筆を進めるゴッホの好みの画家たちで、ルーブル博物館に堂々と、正式に飾られているのだが。

 

耳を切ってゴーギャンに送り付けようとしたのだが、結局病院から精神病院に送られたゴッホだった。絵がかけるなら何処だって良い、

極端にそう思う彼であった。苦しむ人々の中にまた彼もいたのだったが、ゴーギャンは現実的に動き、絵が認められ、パリに行ってしまった。

 

南フランスのアルルでは、住民はゴッホを入れない署名までして拒否していた。コレは社会的に葬られたということだ。

 

牧師の家で生まれたゴッホは聖書についてもよく知っていた。

ピラトはイエスを磔に、したくはなかった。

ただ民衆たちはイエスを殺せ!と叫んでいたとか。昔から、げに民衆の力は大きなものだったのだ。

エスは亡くなってから30、40年後に名を知られるようになったのだと、病院に来た牧師(priest)に説明している。自分も、イエスと同じだと。ただこの説教師はなぜ自分を画家だと思うのかね、自分を天才だと思うのかね、神が与えた才能なのかね?とかの質問が面白かった。この汚い絵を見てごらん、コレが天才画家の絵かね?

汚く醜悪なこの絵が!  しかしプリーストは彼を解放して退院させた。

話してみると、噂と違って、キチンとしており、純粋で、一途に絵のことを語ったからだろうか。

 

退院した後も、彼の不運は続いた。村の若者らに、腹部を撃たれ、絵は池に捨てられて、一緒に石も投げられた。

 

息のある間、ゴッホは、その真相を誰にも語らず息を引き取った。

襲った奴らは、きっと誰かに唆されて、ゴッホをヤレ、といわれたのだろう。

エスの話と相まって、考えさせられた。いつの世も、民衆とは愚かな噂を流すものだ。

 

 

映画内の医者、病院の牧師(マッツ ミケルセン)などの俳優がよく選ばれていて、真実味が増して良かった。