見た見た。でも最後まで見ないと分からないんだよ。フランスの詩人ボードレールの詩集の題名。
詩人ランボー、画家ギュスターブ モロー 、 ルドンなどに多大な影響を与えた先駆的人物だ。
大胆に世相を切った彼。堕落、興奮、欲動、色々なものがうごめく力強い詩だ。そんなボードレールのような人生を歩もうとする高校生の男女二人のお話が始まる。
青春のドロドロとした真っ黒な泥水の中に生きている二人。その汚れきった黒い水を飲み、益々エスカレートして最終点に行きつこうともがき苦しむ。つまり究極の生と死が渾然として彼らの人生を操っているのだ。
だが、これは、誰でも思い出せば、我が身のことだったとの記憶があるはずの話である。皆が、泥水を飲み、もがき苦しみ絶望して、生きる術を見失なう、そんな経験を思い出すだろう。
青春とは実りなく、ただ悪戯に苦しみもがくのがさだめである。
最後には心中を決めた二人だが、邪魔が入って死ぬことはできず、
その後は別れてそれぞれの人生を生きることになる。
運命の流れは寛容であり、そんな若者を、大きく育む。二人を自然と大人にしていったのだった。
サヨナラ青春、君が大好きだよ。