私の好きなスミレ、サクラ、について、少し詳しく書いてあるので、読んでみた。
花は、三度の飯より好きというような気もするわてだが、牧野先輩は、江戸時代の生まれの人で、
山野を駆け巡って、沼にもはまり込んで、植物を、研究してきた偉い人である。
と言っても、わてと同じ趣味なので、まあ、大したことないとは思うがね。
高知県生まれで、酒屋の一人息子だったが、両親は5歳にもならぬうちに亡くなって天涯孤独の身となった。
この人が、将来、このように、世に名を残す博学家になるとは、誰も知らぬことであった。
絵の才能に抜きん出てとあるが、誰しも好きな物を書く時は、必死になって、良いものが書けるものだ。
花が好きと、だけで、止まらず、本気の研究に至ったのは、どういうわけであったろうか。
学歴を捨てて、ただひたすらに、きちがいのように花を集める彼。
そんな彼に、東大から声が掛かった。何が幸いするかわからないものである。
大学の助手になって本物の学問に触れた牧野である。
本来ロマンチストで、夢を見がちな性質を持ち、蝶や、蜂や、その他の昆虫、風や、雨など、花に必要なものたちの働きも明らかに見てきた。
桜を愛し、地面のスミレを愛し、シダを愛し、この辺り、わてとそっくりだこと。
花も人も、良い匂いや、派手な色で、虫を必死で呼んででいるわけさ。
松などの裸子植物は、風が吹くと受粉するので、虫は必要ないので、綺麗な花は咲かないのさ。
生家の酒屋も、いつの間にか、傾いていた。両親もなく、人任せの店になっていたのだ。
お金のない中、子だくさんの牧野は研究に励んだ。
妻は、ボロをまとって牧野を支えて、比較的早く亡くなってしまう。
牧野の研究は、みじかな植物から未知のものまで一筋の道で繋がって行く。そこを辿った牧野は、しあわせものだよなあ。
ただ、植物も、自然の産物、時に逆襲に出る物も現れる。土の化身である彼らは、一体何者なのだ?
それは人間にとって痛烈であって、恐ろしい力を持つと、スッポコは思うのである。
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