この本を見たのは喫茶店だった。表紙が私の方を向いていて、「あなた何様?」と、書いてあった。
すごくぎょっとして、私は、ただのおばさんです、あやしい者ではありません、どうぞお許しください。それが、本であると気がつくまでに、数秒かかった。
ワテは、本屋には行かないし、情弱のババアなので、そんな本があるとは知らなんだね。
読んでいたお客は、すごくシュールな女であった。なるね、そんな事だろうて、心理学の情報を見ていたのね。いまをときめくナリ様が、何を言わんとしているか、チェック!というわけか。
早読みでざっと読んだが、印象に残ったのは、
ああ、困った困ったと頭を抱えているうちは、自分の本題の問題を解決しなくてもいいので、ズルズルと、その悩みにハマって悩みから抜け出せないのだ。
本当は、重要な悩みを解決するのが怖いのだ。というくだりであった。
問題をすり替えているのであると。
それが数年数十年と続くのが、引きこもりの心理であろうし、ワテも同じ事をずっと悩みつづけて
青春を失った部類の人間なので、後悔先に立たず、ということだ。
ただその問題は、恐ろしく大きく、手強く、肉厚であった。
一人の人間の知恵で、解決できる問題と出来ない問題があると思うのだ。
ワテには力も知恵も勇気もなかった。
だが今では、もう、終わってしまったことだ。
人をジャッジせずに、生きるのだ。これは呑気でいいね。でも隠遁者にはなれないよ。
お母さんを許すのだ。いつまでも子供のままでいるつもりかね。
そんな事をしていると、結局母親と同じ人間になってしまうのだ。ワテのことか!心を抉るようなお言葉。
生きている時間は少ないぞ、我慢したりしている暇はない。自分を大切にしてね。
現代のストレス時代に、忘れかけていた基本の基みたいなエッセイとなった。
きっと若い人に読んでもらうのが効き目があってよいだろう。
職場の悩み、家庭の悩み、お金の悩み、いろいろあって面白いことが書いてあったよ。