そこへ元恋人の蒼井優が現れて、術後の彼をいろいろ世話をするのだが、うるさがられて、変わってしまった彼にショックを受ける。
玉木は、自分でもおかしくなっていくことに恐れを感じ、自分を手術した医師に誰の脳を移植したのか聞くのだが、なかなか教えてくれないのだった。そんな間にも、玉木は、殺人を重ねていくのだった。蒼井優はそれを知ってからも彼を全力で愛してゆくのだった。そんな健気な彼女をも殺そうとする玉木であった。しかしいくら脳みそがあれだって言ったって、ここまで変わってしまうなんて、脚本に無理があるというものだ。玉木になら殺されてもいいという蒼井の愛で、殺人鬼の心も変わるのではと期待なんかしてもだめです。この話の筋はとにかく自己暴走のような状態で進んでいくのですから、誰が何を言っても無駄といった感じが滲んで出ています。東野圭吾原作ということです。
最後は追い詰められた玉木は、医者のところにいき、移植脳を全部取りはづして欲しいとせまる。
「それは出来ない。そんなことをしたら、君は死んでしまうぞ!」
「それでもいい。僕は、潜在意識となって生きるから。彼女を殺すくらいなら、自分は死んだほうがいいのだから」
なるほど、これは感動しまくる場面です。なぜか生命を超越した無意識の超精神論へと移っていくのである。この話はその手のものだったのかと、後ろから背中をトントンと叩かれて、興ざめになる可能性ありです。でもなんかムッチャ感動してしまって、昔の友達のことなんか思い出したりして、うっときてしまったのは、バカだった。ラスコーリニコフととソフィーばりの愛と思いきや、なんか変に日本くさい青春恋愛路線になったりでわけのわからない配合のキャンディーができちゃった。
最後は玉木は、ピストルで、あの世に行ってしまうのだった。
広い空の下、「また何処かで会えるよね」そうつぶやくひとりぼっちの蒼井優であった。
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