スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

American Beauty という映画

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この映画はアカデミー賞を取っているが、数多くのアカデミー賞の映画が、ヘツライとコネ、で左右されてる様な選び方をされてる中で唯一実力で勝ち取ったというような清々しさを感じるすごい作品かと思うよ。でも内容は清々しさとは正反対。アメリカの中流階級の家庭の、なんとも虚しいクレージーな不健康な映画なんですよ。バラの花とか出て来てるので、きれいなかわいらしい作品かとおもってみていると、深刻な病んだアメリカのお話なんです。主役務めるのは、ケビンスペーシーで、いかにも気だるさをまとった役にぴったりです。彼以外に誰があの役をやれたでしょうか?

赤いバラが出てくるのは、一瞬だけです。彼の夢の中の出来事なんですから。彼は娘のスクールメイトの少女にこいをして一生懸命に、ボディーを鍛えるようになる。それは、彼女がマッチョな男が好きだと言っているのをぬすみぎきしたからだ。若者のように頑張るパパを、隣の若い男が、ビデオ撮影していた。ホモではないかとその男の子の、親は厳しく咎める。そして、パパを殺しに銃をもってやってくる。うちの子を誘惑しやがったな、というわけだが。このひとは軍人上がりで、陸軍のえらい人だったらしいのだが、本人がホモで、それをかくすためにホモをものすごく憎んでいたんだ。
結局若者の好きだったのは主人公の娘のほうだったんだ。それで、彼女を撮っていただけなの。
ムスメと若者は、駆け落ちしてしまう。パパは女の子をうちに呼んだ。いらっしゃいと。もち奥さんの留守中ですよ。必死になって、少女を落とそうとするパパ。でもね、まさかの処女だったわけ。いやこの子は化粧厚いわませた目つきといい、男遍歴の激しい子だとパパは思っていたの。誰でもそう思うわ。それで、その子とは別れてさよならをします。何事も無かったように。さみしいパパ。そして、永遠のお別れがきます。パパは銃で打たれて、死んでしまいます。突然の別れ。隣のわけわからん軍人上がりのおっさんに、やられたんだ。これはきついわ。彼は、そんなに悪いこともしてない。うだつの上がらぬサラリーマンでも頑張って家族を養ってきたし、キツイ性格の妻については、目をつむってただけです。一般的なアメリカの家庭を描いてこんな映画が作れるなんて、本当にクレージー!だと感心してしまいます。後にも先のもこれだけの名作は出来んと思う。
それでもこれをコミカルとかコメディーとかっていう人がいて、トンチンカンな批評があますが、それは偉い批評家先生のコメントを見て、同じことを真似して言っているだけです。
まあ芸術に、媚びは必要ないでしょう。なぜこんなことが言われるのか、よく分かりません。例えば病気で死にかけてる人がいたとして、コメディーですか?同じく芸術的なことはコメディーではありません。