スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

処女の泉という映画のあらすじなど。

スウェーデンのベーイルマン監督の作品です。ある大きな裕福な家の娘は、綺麗な娘だが、両親に特に母に溺愛されていて少し、わがままなところがある。召使も数人いて、その中の一人と馬に乗って、離れたところにある教会にでかけるのである。朝寝坊したために出発が昼頃になる。森の中を通るので日が暮れるまでに、帰ってくるのが ベストだった。連れの召使いは、妊娠している若い女で、野生的な女だった。大事にそだてられている娘の事を、本当は憎しみの心で見ているのだった。

一番綺麗な外出着を着て出かけた娘はとちゅうで、めしつかいと、はぐれてしまう。そして、森に住む浮浪者の三人組の男にうまうまと捕まってしまう。持っていたお弁当のパンなどを男達にわけてやる。サンドイッチの中には、毒ガエルが入っていて、それを食べた少年は気分が悪くなって苦しむ。サンドイッチは例の女の召使がわざとカエルを入れたのだった。襲って来るだろう男に対して警戒も無しに接する娘は、まるで、バカ同然であろう。
誰もいない森、男三人、これで警戒しないって、ほんまに「処女の泉」そのものってかんじ。これでなんにもなかったら、おかしかろう。突然本性をあらわして襲いかかる男達。あっという間に組み伏せられて、男のものにされてしまうのだった。
男達にとって極上ともいうべきご馳走であったろう。美しい肌、よくとかされた金色の髪、大切に育てられたハイブリッドの女が手に入ったのだから。
残念な事に殺されてしまう。これは災難だ。大災難だ、むすめにとっては。しかし、なにかいいきみといったかんじもある。あんないい暮らしをしてたのだから、災難にあって当然といった感じが入ってくる。一方、夜になっても帰ってこない娘の母親は胸に大きな氷を飲み込んだようになって心配のあまり眠ることもできないでいた。
服をはがして森に死体を転がしたままにするんだが、なぜだか花ビラが、どんどん散り舞ってきて、雪のように降り出す。一番若い少年は気味悪くなって逃げ出す。
剥ぎ取った服をもって悪党たちは、なぜか娘のいえのドアをたたく。娘の家は大きく金持ちそうだったのだろう。服を買ってくれと見せられた母親は、何一つ顔色も変えずにその服をじっと見つめる。全く平然としている。その服は出かける時母がむすめに着せてやった服や、マントであった。
そして「服を買うかどうか、主人に相談して来るから待っていてくれ」といって立ち去る。娘を殺した犯人を見定めた両親は復讐を誓い合う。そして、3人と大乱闘のすえに男をやっつけて娘の仇を討つことができた。そして、森の中の娘の遺骸を、さがしあてる。
父親は、嘆いて、娘の殺された場所に立派な教会を建てて、神を崇め、自分の罪の許しを乞い、娘を弔うことを大声で叫んんで誓う。信仰深い父親で、金も徳もある男だった。この地方の名の知れた家の、名の知れた男だったとわかる。初めから分かってはいたが。両親が亡骸を抱き上げたときである。娘の遺骸があった地面から、急に水が、渾々と湧き出る。そこにいた家族や召使たちまで、皆がこの湧き水を見て、驚きを隠せない。水は、森の斜面を流れ続けた。娘の純粋さを証明する様に。神様が無実の娘を可哀想とあわれんでくれたのか。まあ考え方はいろいろだろう。裕福な家の娘だから、神様が恵みを垂れたとは考えにくいからね。まあ、白黒で美しいい画面、昔の地方の暮らしが分かる、という意味でも価値ある一品です。スウェーデンってやっぱり神秘の国であったのね。私は、同じ監督の「野いちご」のほうが面白いし、よくできた脚本だし、幻想的で深みがあると思うんよ。
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