スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

毛皮のヴィーナス  ロマン•ポランスキー  監督  2013年  原作 :マゾッホ

ワンダという女の劇を作っていた脚本家のトマ(マチュー • アマルリック)の前に、ワンダだという名前の女が、突然現れる。

まるでこの劇全てを知っているかのようであった。男を召使のように扱い、自分は女王様のように威張っている役である。

男はその命令に従い、そのことで喜びを感じるというマゾの気持ちを表現する劇であった。

女に皮のロングブーツを履かせるトマ、そういう屈辱が、さらに快感を強めていく。毛皮と言い、ブーツと言い、超高級なものを使っている。監督のこだわりだと分かる。

このワンダを演じたのはポランスキー監督の妻である。

非常に肉感的で、変わった女性である。演技的には、どうかとおもったが。

 

だがいつの間にか、男と女の逆の立場ができあがっていく。トマは、女の口紅をつけ、女のようなみぶりになる。

ワンダは、ますます自由になり意気揚々と振る舞うようになってゆく。

元々、激しい気性を持っている女である。トマの気づかぬ間にこの劇中劇は、女の手に握られていたのだ。

最後には犬のような首輪をつけられ、変な柱に縛りつけられ、屈辱を受ける。

ワンダは、どこからか、立派な長い長い毛皮のコートを出してきて、裸体の上に纏い踊る。

まるで、女狐のようだ。

こんな毛皮がどこにあったのか。

 

この脚本は全ての女を愚弄したくだらないものである、と主張し始める。

女を馬鹿にした罰である、と言い捨てて、毛皮のまま去ってゆく。男女の間には何もなく、心理的なやりとりのみである。

 

この作家が、女の味方なのか、男の味方なのか、屈折していて、歯切れが悪い。

女の気持ちをよくわかってるなあと、感心したが、

両者の見方をする蝙蝠のような態度には賛成できない。倒錯したLGBT を演じるマゾッホは、

本当は、計算し尽くした正常人ではないのだろうか。面倒臭くて、原作まで読んでいない。

 

毛皮のヴィーナス(字幕版)

毛皮のヴィーナス(字幕版)

  • 発売日: 2015/08/01
  • メディア: Prime Video
 

 

のはなぢであろう。