何十年前と少しも変わらず、相変わらずマルテを思い出す、私。理解できない事がたくさん書いてあって、しかも人様には尋ねてはならない秘密の様な話なのです。聞いても恐らくだれも返答をくれないことはわかっているのである。世の中には、変わった人間がいるものだ。私の関わった人たちの中で、なぜかわたしは、マルテに書かれたような人たちに会う幸運に?恵まれていた。不思議な生き方をする
奇跡の様なひとたち。でもたぶん、みんな黙ってるけど、知っているのかもしれませんがね。
そういう人々を書いた話で、とても強烈だ。人生から外れて生きるひとたち。
私は、人生に行き詰まったとき、なぜかいつもその人達を思い出す。マルテの手記を思い出す。理解できなかった時間の話や、歴史についての話などは難しいし、他の場面もほとんど危険思想とみなされてもいいような危うい話なんだ。リルケは、神についてや、マリヤ様についても真剣に考えた。まあこれはどうでもいい。
非常に難しくて、この本が、読みこなせる人は、ほぼいないだろう、とおもう。つまり、
マルテの手記は、もっとも難解な書物として登録されてもよいはずだ。