スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

牧野富太郎 なぜ花は匂うか 2016年

私の好きなスミレ、サクラ、について、少し詳しく書いてあるので、読んでみた。

花は、三度の飯より好きというような気もするわてだが、牧野先輩は、江戸時代の生まれの人で、

山野を駆け巡って、沼にもはまり込んで、植物を、研究してきた偉い人である。

と言っても、わてと同じ趣味なので、まあ、大したことないとは思うがね。

高知県生まれで、酒屋の一人息子だったが、両親は5歳にもならぬうちに亡くなって天涯孤独の身となった。

この人が、将来、このように、世に名を残す博学家になるとは、誰も知らぬことであった。

絵の才能に抜きん出てとあるが、誰しも好きな物を書く時は、必死になって、良いものが書けるものだ。

花が好きと、だけで、止まらず、本気の研究に至ったのは、どういうわけであったろうか。

学歴を捨てて、ただひたすらに、きちがいのように花を集める彼。

そんな彼に、東大から声が掛かった。何が幸いするかわからないものである。

大学の助手になって本物の学問に触れた牧野である。

 

本来ロマンチストで、夢を見がちな性質を持ち、蝶や、蜂や、その他の昆虫、風や、雨など、花に必要なものたちの働きも明らかに見てきた。

桜を愛し、地面のスミレを愛し、シダを愛し、この辺り、わてとそっくりだこと。

 

花も人も、良い匂いや、派手な色で、虫を必死で呼んででいるわけさ。

松などの裸子植物は、風が吹くと受粉するので、虫は必要ないので、綺麗な花は咲かないのさ。

 

生家の酒屋も、いつの間にか、傾いていた。両親もなく、人任せの店になっていたのだ。

お金のない中、子だくさんの牧野は研究に励んだ。

妻は、ボロをまとって牧野を支えて、比較的早く亡くなってしまう。

牧野の研究は、みじかな植物から未知のものまで一筋の道で繋がって行く。そこを辿った牧野は、しあわせものだよなあ。

ただ、植物も、自然の産物、時に逆襲に出る物も現れる。土の化身である彼らは、一体何者なのだ?

それは人間にとって痛烈であって、恐ろしい力を持つと、スッポコは思うのである。

 

 

牧野富太郎 なぜ花は匂うか (STANDARD BOOKS)