本当の人物を元にして作られた映画、ノンフィクションぽいストーリーと落ち。
デリンジャーという銀行強盗の男は、次々と大手の銀行を襲っては大金を強奪するのが仕事というのだった。彼は無用な殺生はしない主義であったから、民衆にも人気があった。
彼の仲間は沢山いて、固い絆で結ばれていた。チームプレイと頭脳プレイで強奪はいつも成功する。
しかし、警察は何度も彼を逃してしまい恥を晒し続けていた。
なんとか彼を捕まえるために作戦が練られた。先鋭的な部下が集められて、銀行にはりこんだ。
だがいつもデリンジャーはお金と一緒に警察の網から逃げてしまうのだった。
彼は男気があって、仲間に好かれて、信頼されてもいた。彼のためなら、危険な目にあっても耐えるのだった。いつでも彼は失敗しない。僕、失敗しませんから。
だが女が捕まりとうとう住処を突き止められて、何度か物凄い銃撃戦になる。
彼には愛する女がいた。愛するというか、猛烈に突進していく愛である。それは刹那的で、危険なヤクザの世界の裏返しの愛であった。これは尋常な愛ではなく、命令的な恐ろしいような強い愛であった。
それは、ヤクザとして生きる彼の危うさの裏返しというエゴというものだ。
デップは、それを演じてみせる。ただ、美しいデップが演じることで、本物の愛のように見えるのである。
ソリャア、あんなに強く愛されるというのは、女にとって素敵であろうが、わてはやっぱお断りだね。
ヤクザの男が女を愛する時、男は女を離さない。それは異常な世界に足を踏み込むという意味だ。
お相手の女はマリオン コティアール。エディットピアフの伝記映画に出た人だ。
苦手なタイプだ。落ち着きのない眼差しと、不安定な表情が常に水面の様に変わるので、落ち着きがなく、また品もない。エディットピアフ自身も品がないタイプの女だから、この役があたり役だったはずだ。
銃を肩にかけてガンガン打ちまくるデップは、それはとてもカッコ良いが、とうとう警察の総力を挙げての包囲網にあっけなく死んでしまう。その後は、急に
ショボーンと寂しくなり、
何かなあという気持ちが残ってしまう。ちょっと残念、なんでハッピーエンドにしないんだい。