戦時下より、高潔で、教養の高い知識人らは、もうすでに、アーレントについて読んだり聞いたりしていたようだ。
新聞で読んだことだが、この度「ハンナアーレント 三つの逃亡」という本があるという。
彼女は危険視され、身の危険を感じて、アメリカへ逃げた。
ベンヤミン、ヤスパース、シャガール、ヨナスなど多くの友人兼、相談者がいたのだが、まずハイデガーとの腐れ縁を切る必要があった。ハイデガーはナチス寄りの大学教授で、知識人であった。知の巨人と崇められていた人物。
もうこうなったら、知識人など全く当てにはならない。何処でどう、ボタンのかけ違いが起こったのか。誰も述べることができない事実だ。なぜならベールの中だから。
やはり、一人ひとりが、感じる気持ちや、個人の生理的嫌悪感とかが、大切になってくる。かもしれない。ただ世間には、そういう内省的な心の持ち主ばかりではない。
アーレントの文章はなぜか、込み込みに絡み合った複雑な紋様のような文章であり、読むのに少し苦労する。
だが彼女の信念には強いものがあり、結局、誠実な感じを受ける。ここで嘘をついては、何にもならないからだ。
イスラエルのアイヒマン裁判を通して、人間の愚鈍さを目の当たりに見た。人間の罪を大きく凌駕した罪だという認識を示した。
関係するおすすめの映画は「若き日のヒットラー」か。これはかなり如実に語られていると思う。
せやな〜。やめて〜。