スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

1971年 ルキノビスコンテイ 監督  ベニスに死す   :トーマスマン 原作

ベニスに死すをまたやっていた。やっぱミーハー的な映画は心が浮き立って楽しいものだ。

ベニスという世界の観光地で、美しい少年、タジョに出逢い、その容姿に引き込まれて、溺れてゆく中年のオッサン芸術家のプライドをかけた老楽の恋であった。

この少年は自分の美しさを承知であったし、小憎らしい悪魔の如くにこの芸術家を翻弄してゆく。

芸術家の彼は実は最近ストレス気味で、うまく仕事が進んでいなかった。気分転換のために訪れた観光の名所ベニスであった。

そしてそこでは、じわじわと、コレラが伝染しはじめていたのだった。町中に、白い石灰の消毒がまかれてゆく中、それにもかかわらず、中年は恋を止めることができないのだった。生まれて初めての少年に対する片思いだった。

死は迫っていたのに、理容店にて、厚化粧までして少年を追い求めて彷徨う。

胸は苦しく、自分の歳が恥ずかしく忌まわしかった。いや、自分は高明な芸術家であるぞ、若造にバカにされる謂れはないのが、当たり前じゃないのか?なのに、なぜこんなにも、恥じて、自分がもどかしいのか。もう若者には戻れやしないのだし。

段々と死が迫っているにつれ、ますます燃え上がる恋の炎は身を焦がし、死と同一線状に至るのであった。。云々。

 

 

ノーベル文学賞のトーマスマンが、こんな作品を描いていたなんて、ちょっとびっくらですね。

小説も小品で、すぐに読めますし映画は、お好みで見れば良い気軽さがよい。