一文字家の当主の一文字秀虎と三人の息子達。リア王のカバーだとか言う触れ込みであった。
原作を読むのをサボったためか、何かとっつきにくい、登場人物も少し多いので、こんがらがることになった。
人物がわからないと、筋もわからなくなるので、おもしろくない。人物を濃厚に撮っておらず、遠くから全体を見ている様な、頼りなさを感じた。
黒澤は読書家で有名であったが、もちろんリア王も熟読しているはずである。わては童話でしか読んだことがないので、つよいこともいえない。コレから読むつもりで本はテーブルの上に置いてあるのだが。
次男が長男を殺し、その嫁を、自分の妻にし、じぶんの本妻を殺してしまったり、三男は父を保護して城にむかう途中で殺されたり。
次男の根津甚八の演技が良かったぐらいで、全体的に出来が良くない気がした。
26億円も使ったお城も火に炙られて燃えてしまう。映画にリアリズムを求めた監督のやったことである。
ピーターが、道化になっていたがもう少し、道化らしいセリフと、豪華な、あるいは奇抜な衣装がよかったのではないだろうか。例えばだが、無地に一点ものの模様が入っ衣装とか。長く出ている大役であるのに、勿体無いことだ。
確かこの映画、衣装が良いという服飾の賞を貰っていた。
多分見るのは3度目かそこらだが、今回も、なぜかシックリこなかった。
シェークスピアの悲劇は辛辣な人生の教訓が含まれていることが多い。わても、そのおこぼれに預かりたいと望んでいる。