ありゃ、スコセッシ監督かよ。知らなんだ。ショックだわ。今までいろいろクサしてきたから。
中年になったディカプリオが恐ろしい監獄の島で大活躍といったところか。連邦政府保安官のディカプリオは島から要請があってある女性の犯罪者が行方不明になったと言う知らせを受けて出向くのであった。そこは陸から遠く離れた海の孤島であった。だが、本当の理由は別にあった。
そこに収監されている犯罪人たちはみんな精神を病み幻覚や幻想を見るのだった。またとても暴力的で凶暴な男や女が収監されているのである。
その監獄は精神病院であって、常に監視され、どこにも逃げ出せないような場所であり、女性が逃げて行方不明であると言うこと自体が不可能であった。その難事件を解こうとするのがこのディカプリオであった。彼は、もったいなくも連邦政府の保安官という大きな権限を持つ者だった。
医院長始め、数人の医者も看守たちも、患者たちさえも全員本当のことを隠していると思い、自分一人で、真実を探し出そうとするディカプリオであった。一緒に来た仲間の警官は崖から落ちて死んでしまった。死体も見つからなかった。不明の女患者は、なぜか見つかり部屋にもどされた。
愛する妻を殺したレィディスという放火殺人犯を見つけたい。本当の理由はそれだった。病棟は多く、周囲には森もあり、不明者を探すのにも骨が折れた。不気味な病院の雰囲気がたっぷりと感じられて、怖くゾクゾクする。
その間にも、ディカプリオはおかしな夢を見たり突然気分が悪くなったり、死んだ子供の幻覚が何度も現れる、ついには死んだ妻が悲しげな目をして何度も出てくる。ディカプリオは、声を詰まらせて、抱きしめるが。
スコセッシ監督の誘導により、この物語がどこか変だと気がついて来る。また観ている者の精神も追い詰められてくる暗示的映画になっている。
彼は、妻を殺した犯人(レディス)がこの島にいる事を突き止め妻の仇を取るためにやって来たというのだが、なかなか見つからない。
段々と、すべての人が怪しく見えてくるし、見ている自分も実は精神が変なのではないのかと、思えてくる。
最終的にドンデン返しがやってきて 真実が明かされるまで、心が揺らされる。
それも、これも
もどかしい心理的トリックが、あちこちに掛かっているからである。ディカプリオの演技も安定したうまさがあった。甘いマスクの若い頃と違って、鍛えられた男の肉体が頼もしかったり。
ここまでするかと思うほど監督の執念も凄まじかった。今回は、マーティン•スコセッシ監督に一本あげときましょうか。セットも良かったしね。