ここはスペイン、オリーブ農園に、樹齢2000年の巨大なオリーブの木がある。ローマ時代まで遡った頃から
この木は、大切の守られて来たが、アルマの父親が、売ってしまって今はもうない。
オリーブ油が、よく売れた頃は良かったが、まがい物の油が出回り、純粋な油は高額な為誰も買わなくなっていた。
アルマの爺さんは無口で、ボケている。というのも、大切なオリーブの木がなくなってしまったからである。おじいさんは歳をとりもう長くはないと言う時期になった。このおじいさんに孫のアルマはなんとしてもあのオリーブの木をもう一度取り戻して持って帰ると言うことを決心したのであった。
この映画は時間があって暇なときにゆっくりと見ると都合が良い。慌ただしい時に見ても意味がないのである。
トラックというか長いトレーラーを頼んで、スペインからドイツまでを走って行った。木を買った会社はそのオリーブの木を玄関の大きなホールに植え替えていた。この器は2000年と言う月日を経たもので価値があったのだった。しかし会社はどうしてもどうしても木を返そうとはしなかった。アルマたちは木を返してもらえるまでそこに居座ることにした。
そのうちにSNSでこの話が拡散し自然保護団体とかいろいろな団体が視察にやってきて最後にはちょっと大きなデモのようなものになり、この会社の周りをわっしょいわっしょい行って歩き出したのだった。
アルマはおじいさんの目が黒いうちにもう一度この木がが農園に植るのを見せてやりたかったのだ。
しかしおじいさんはこの戦いの最中にとうとうなくなってしまった。
悲しむアルマはやむなくこの木の枝を折ると、それを接木苗としてスペイン に持ち帰ったのであった。
そして家族全員でその器を農園の場所に植えてやった。
ただそれだけの話であるのだが、大切なものを守ろうとする人たちの生き様や熱意がしみじみと心に広がってゆくそういう話であった。
オリーブというのはやはり神秘の木であろう。