フランスのヌーベルバーグの旗手トリュフォーが、、作った「大人は分かってくれない」1959年の映画では、やはり少年が、少年鑑別所に入れられるストーリーだった。
この二つがよく似ているなあということだ。何をかいわんやだが、羽仁の方も負けてはいない。
白黒で、戦後の日本の東京の浅草、銀座の様子がまざまざと表れている。
そこに、不敵な面構えの不良少年たちが、ウロウロしている。しかもデパートの宝石売り場で盗みをして、鑑別所に入れられた浅井少年。彼も、家庭としてはあまりにもお粗末な家で育ち、愛に飢えていた。
この映画では、それぞれの少年あるいは青年たちが、何を喋っているのかがよく聞き取れないのだ。
だが、それがなぜかリアルに見えてしまう。
だれの心にも潜む不良への憧れ。さぼり、盗み恐喝、コレらにも彼ら独特の法則があるようだ。
ただ彼らは、流されて行くことに抗えない弱さが共通している。スッポコもその一人だ。
鑑別所ではボスがいて、また、その子分がいて、なかなか大変な暮らしが待っていた。
しばかれるばかりの浅井少年、それでもしぶとく生きてゆくのだ。
運動会では、皆が、大騒ぎで、趣向を凝らした演出をしたのだった。わっしょいわっしょい手作りのお神輿を担ぐ少年達。
村人や、来賓の方々が、大勢来て見るのだった。まさにお祭りであった。
出所の日が来た。働いたお給金と荷物をもらって、出て行く浅井少年。
かれの人生は、どうなって行くんだろうか?
幸せを掴むことができるのだろうか。見る者は心配になってしまう。
彼は、鑑別所でも、へこたれずにやってゆけたのだ。きっと、大丈夫だろうて。
そうあって欲しいと願ってしまう。
其れにしても、羽仁の娘のミオちゃんはかわいそうだったなあ、アフリカにつれていかれて、小学校にもいかず、ママは死んじゃって葬式にも出ずにいたら、ママの妹が、パパと一緒になってて、文句も言うことができなくなって、病気になって亡くなった。とても気の毒。パパは、毒父だったのさ..。
パパの、お母さんは自由学園を作ったゴッドマザーです。こっちの実話の方が、もっと悪だがや。
父親も確かすごいひと。