皆さんはこの映画のあらすじをスラスラと話すことができますか?
歌も聞いたことはあるし、空に浮いた島のような国のことだと、知っているのだが。
なんとなく敬遠してしまう分かりにくさがあるようだ。
シータ(女の子、王女} パズー(シータの友だち、孤児の少年)、ムスカ(大佐、敵、悪者)、海賊一族、これらの人たちが、出てくるだけなのに、何か変である。
海賊といっても、空の海賊である。
ムスカは軍隊を率いて、ラピュタの飛行石を狙う男だ。飛行石というのは、ラピュタが、宙に浮いて、動いている原動力の石のことだ。高い文明と、原子力のような戦闘力を持った国を、ムスカたちは、欲しがった。
これは世界を支配するためであった。でも世界を支配して、どうするのかな。
ムスカに瓶を振り下ろそうとするシータ。キミねえ、暴力はいけませんですよ。…。
シータも、飛行石のかけらのペンダントを持っていて不思議な力に導かれてゆく。この子はラピュタの末裔、王女であった。
悪者にばかり狙われるこのラピュタに愛想をつかして、この島を滅ぼそう、島と一緒に死んで行こうと、シータは覚悟するのだが。
飛行石や、パズーに助けられて島を脱出する。
昔から、ラピュタで歌われていた詩があった。「土のあるところで、種は芽吹き、鳥は歌う、風も吹く
。
宙に浮いた島の国など、生きて行ける場所ではない。」
この歌のように、私は島を捨てて行きます。と、考えていた。
石で作られたロボットたちも、皆滅んでいった。石は、この島の人々を守り、人々のいうことを聞いてきた高性能のロボットであった。石が心を持ち、人々を守っていたのだ。そこも重要な事であるようだったが、最後は、島とともに、空高く、空の彼方に登ってしまう。
シータも、昔から王家だけに伝わる特別の呪文を唱えることもないし、魔法の力もなかった。
奇跡で、救われることもこの映画ではなかった。
また最後に、「バルス!!」と唱えることで、島は、分解されて、遠く離れて飛んでいってしまう。
サヨウナラー。
ムスカや、残りのロボットを乗せたままどんどん上へあがっていく。
ただ、宮崎監督の自然を愛する気持ちは、相変わらず強く、発想としては突出していたのだが、
海賊のばあさんに入れ込んでいるうちに、おしいことに、詰めが甘い作品になったようだ。
一度も、まともに見たことのなかった、ラピュタを今回通してみたが、頭がゴチャゴチャするばかりで、始まりからつまづきながらの視聴であった。