見たかったが、見ずじまいにしてきた映画の一つだ。アメリか、メアリかという疑問と、シンプルすぎる題名に引いてしまったせいだ。
何か幸せになる話だと聞いて、わてもなりたいと思って見た。
最初の入り方がとても美しく心惹かれたのには参ったが、やはり、フランス映画だった。
フェアリーのようなエンジェルのような少女の話かと思ったが、普通の自閉的な女であった。
医者の家に生まれ、母に教育を受けて小学校にも行かずに育った。子供の時からも友人は一人もおらず、すべて空想で友人をまかなっていた。
そんな孤独で、人間との接触嫌いの娘のはなしである。
だがそんな彼女は、あるカフェに勤めていて、皆と仲良くやっているのだが、自分の恋にはとても慎重で、絶対に、話しかけたりできないのだった。
人のためには、いろいろ骨もおっては見たが、自分のこととなると羽をもがれた蝶のように何もできないアメリだった。
そんなもじもじの恋にも、なぜだかハッピーエンドになる。
生身の人間と付き合うことになるアメリであった。
エピソードとして、アメリの恋人は、ポルノ店の店員という設定である。
周囲のいろいろな人がポルノ映画のような振る舞いばかりしているというところがダメなのである。
観客を喜ばせようとしてかポルノを引っ張ってくるお国柄が理解できない。せっかく良い文化も持っているのに、腰砕けになるストーリーが多いような気がする。
これがロシアとかであれば、真面目な哲学的な映画になったであろう。
アメリの曲は全くの偶然だったが、平昌オリンピックのフィギュアフリーで、坂本花織選手の曲に使われていた。
それはともかく、パリ、モンマルトルあたりの、奇人変人が、当たり前として生きて行けるそんな自由な街ということだ。