フランスにゲンスブールという歌手がいたなんて知らなんだ。ただ朝ドラの「まれ」に出てくるフランス帰りのパティシエのお師匠さんが、ゲンスブールの歌を題名にしたケーキをつくっていました。
「ジュテームモアノンプリ」この歌ってセルジュゲンスブールがつくってたのね。他にも、まれたちが
オープンカーで皆でうったってた歌もこのひとのうたです。なんとかっこいい歌!と思って聞いていましたがジュテームとかいうやつで、男とおんんなのことを歌にした、ヤバヤバのうたなんですわ。彼らは知らずに卑猥な歌をうたっていたというわけですな。NHKはどうせフランス語なんかわからん日本人がみてるんだからと、いい加減なことしはったわなあ。あのドラマちょっとひっかかるわなあ。ケーキの名前も、映画のパクリだしさ!
ユダヤ人の才能あふれる彼はブリジッドバルドーやら、バーキンやら、いろんな女優をモノにしてかわいがり、稀代のプレイボーイとして名をなした。色々な曲を作り、最後はレゲエに傾いた。ジャマイカでレコードディングしたラマルセイエイズのレゲエ版もある。彼は黒人の気さくさや、芸術感が好きだった。
バーキンとの間に子供もでき可愛がったようだ。ただ生活は派手で、酒タバコを離すことができなかった。えいがのなかでもタバコ何本吸ったことか、すごい量です。ヘビースモーカー。それで
ヘロヘロのジジイになっていく。見ていても情けない。禁煙の檻に入れて更生させねばというぐらいひどいんだ。
バーキンは事実上の妻のようであったが、会った時はやせた綺麗な女の子のような感じで、いつ奥さんになったのかわからず、困惑だし、別人のように思ったのだが、まあどうでもいいや。
結局、いい曲も書いてるので、努力と才能は認めるけど、他の面はあまりにだらしなくタチの悪いホームレスのような風貌である。大丈夫でしょうか。この人、ちゃんと仕事してるんでしょうか?
いや、彼は自分の歌や映画などの活動でつまり自分の 芸術をパンのように切り売りして家族を養ったんだ。家族を守るために、仕事を休むことなくつづけたのだった。そんな場面がちょっぴりある。それで充分だ。
女との関係についてがおおいため、かれの人となりとかはぼんやりとしている。だから、たぶんこの映画あまり問題にならない作品になってしまう可能性がある。フランスの英雄だとおもっているのはフランス人ぐらいでしょうか。他の国の人々はけっこう冷えた目で見てると思うんです。あとはなんと評してよいやら。フランス語の歌は嫌いじゃないけど、ゲンスブールを知らない人の方が多いわけです。
世の中は英語のロックやレゲエ、 グラムロックパンクと華やかであった。そんな中彼はフランスの音楽の限界のようなものを感じていた。英語とフランス語は違っていた。文化的にも交わることのない何かが壁になっていた。
いや彼の場合、一匹狼だったのと、有名で薄っぺらなビートルズメロディーなど眼中になかったというか。自信はあった。だからいろんな有名人と親交が持てた。ブリジットバルドーとも浮名を流した。
ただ美しい曲を書いた人そして歌った人であった。現代音楽の草分け的存在としてあがめるのもいい。
この映画は、女がたくさん出てくるがポルノというのではない。男と女の関係を甘味を減らして、ほろ苦いココアでコーティングしたお菓子(ガトー)かとおもう。
サビ色の砂浜を走る車、そしてやはりサビ色の夕陽、そんな風景に流れる彼の曲は、おそろしいほど冴えわたる美しくも物悲しい最高傑作であった。「ガラスの墓標」という歌。映画の主題でもあるよ。
レンタルビデオはいつも貸し出しちゅうでちょっと苦労した。
ゲンズブールは1991年に63歳にて あの世に旅だった。ジェーンとも別れて、ひとりになった。
純粋だった彼は、人一倍寂しがり屋であったのかもね。スッポコが側にいてあげればよかったよ。もちお金目当てじゃないことよ!
結局、男が還暦すぎてひとりになると、もういけませんね。