スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

映画 愛の渇き 1967年 公開 三島由紀夫 原作(1950)

これは小説ではなく、映画を見た感想です。浅丘ルリ子主演で、相手は石立鉄男が、すんごい若くて❕しました。長男の嫁だったルリ子は、いつも美しくすましてはいるが、本音を言ったことのないとても業の深い女です。そして旦那が死んだので、その父親つまり舅のおんなになります。舅はもう年寄りで、ヨボついてはいても、るりこをかわいがり信頼しているようです。かれは一代で富を築いたやり手でもあります。

その男を裏切って、ルリ子は園庭で働く庭師に心をおどらせます。筋肉に光る汗と素朴さにひかれていきます。そんな中、女中の女の子が妊娠して相手は庭師だということになります。さあ、ルリ子は気が狂うほど嫉妬して、その子供を下ろせと女中に迫ります。とうとう子供を下ろしておヒマをもらって屋敷からでていきます。庭師はもう私だけのものと思うルリ子。女中が去っていくとき「奥さんは後でひどいめにあいますよ。」と捨て台詞を残していきます。そして実はその通りになるのだった。いやそれ以上のおそろしいことがおんなをまっているのだった。
ある晩 おんなは庭師と外の温室で逢いびきする。全員が寝静まった真夜中の逢いびき。彼女は男を求めていたはずである。それなのに迫ってきた庭師を拒む女。それを許さない男の欲望とがせめぎ合うのだが、とうとうルリ子は男のものになる。ところでそのあと庭師のを殺してしまううのだった。
老人にあいびきをみられたからだ!まあウソの世界で生き続けた結果であろう。虚飾に満ちた女をズバリと描いたいうのか。このように救いのないかたちで。
この短絡的すぎる結末は読者に嫌悪感をもよおそさせるものだ。
三島の不毛な感覚を見るようで痛々しいのだ。このような作品(25歳のとき)が三島には多いとおもう。
 
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愛の渇き (新潮文庫)

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