スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

キング オブ キングス エピソード 1 皇帝誕生 エピソード2 帝国の崩壊 2002年

特別に、歴史に詳しいわけでもなく、むしろ疎すぎる私でもなんか手に汗を握るはめに。

これはおもしろい!多分ナポレオンというこの人は失脚するんだと知っていて見ているからだろうか。

戦争の指揮が天才的と言われたナポレオンに従って、何十万もの兵士が塊になって銃を持ち進んで行く。その軍服が、またすごい迫力というか、白い軍服に長いコートを着ているのである。厚手のものを着ているのは何か意味があるのだろうか。野戦用であろうか。本当にこんな軍服であったと思わせる真実味を感じられるものだ。

戦いでも、肉弾戦であり、何人殺したかで、勝敗が決まる。ボタン押すだけの今の戦争とは違って、一人一人が命を懸けて殺し合いをするというもの。

まるで日本の戦国時代のようだ。刀と銃の違いはあるが。

当然、負傷者や死ぬ者が多数出るのである。ある意味なぜかこの映画はリアルな味があり、普通の戦争映画とは違うと思った。負傷者が出てもふーんというぐらいで気にもならぬのだが、この映画の負傷者は本当の負傷者のような感覚に襲われるのだ。隣のおじさんやお兄さんが、大負傷して死にそうになっている、と感じるのだ。

ただどこが違うのかカメラワークだろうか。フランスの監督らが、仏のプライドにかけて、本物の生地を使って軍服を作ったからかもとおもったり。なんてったってファッションの国だからね。

なぜだかとても良く出来ているのだ。ふーむ。

 

フランスに敵対するのは しぶといイギリスと、大国ロシアとプロイセンであった。あとの国は大体統治できていたが、イギリスは折しも産業革命が勃発して工業製品がどんどん国外に輸出され、富を得ていた。イギリスが、インドに行けないようにスペイン南部のトラファルガーで、海戦を仕掛けた。

ナポレオンはスペインを抑えて統治していたので、調子に乗ったのか勝てるとおもったのだろう。

世界の商人イギリスは海軍も強く、トラファルガーでは負ける。さすがすべてが海に面した国。

プロイセンオーストリアを押し込めながら、ナポレオンは、強い手段に出る。

大陸封鎖である。イギリスの輸出ができなくなったロシアや欧州各国は、生活物資に事欠くようになり

大きな不満が溜まった。

ロシアは、フランスを無視してイギリスと貿易を再開、それに怒ったナポレオンは、ロシアに向かって行った。

 

これが終盤につながったことは 皆さんがよく知っておられることだろう。

到着した都は、すべて焦土と化していた。食料も何もないのだった。

ロシアのアレクサンダーとは以前からギクシャクし、ナポレオンは、手こずっていたのだ

ロシアという国は現在でもよく分からないし 独特の位置にある大国であるから。

モスクワでも町は火の海で、すべてが失われた。ナポレオンらは、ここでも何も手に入れることができずに寒さに震えた。宮殿の広間で「この宮殿はなんか寒いなあ」と、誰かが呟いた。

そうだ、冬将軍がやって来ていたのだった!

雪と寒さに死んでゆく兵士たち。

これは老練なロシアの将軍の作戦であり、ロシアをなめたナポレオンの30万の兵士のうちの残るは

5000ほどになっていた!

これに乗じて、プロイセンオーストリアが主導イギリスと組んで、ワーテルローの戦いが始まった。

イギリスの勝利であった。

エルバ島から脱出したナポレオンはワーテルローの戦いまで起こしてしまった。

ヨーロッパの国々は今度こそは、

ナポレオンを決して脱出できない絶海の孤島セントヘレナ島に幽閉したのである。

ナポレオンはなぜ、これほどに戦いに明け暮れたのか。1800年初頭の出来事であった。

 

 

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ファミリープロット ヒッチコック監督 1978年

ヒッチコックはイギリスの監督である。リッチな味わいの映画を取れる人である。この映画は怖いと言うより

 世にも軽快な、ミステリーで、とても楽しいものだ。

ブランチという霊媒師の女と、ジョージという俳優志願の男とのコンビで、ドンドン進んでいく。

ある金持ちのおばあさんが、里子に出した男の子の行方を探してほしいと、霊媒師ブランチに頼みに来くる。この男の子は、なぜだか、とんでもなく、ワルに育っていて、養父母を火事を起こして殺し、自分も死んだことにして、世間を欺いていた。

それをいいことに、宝石泥棒に転じ、自らも宝石商をして盗んだものをさばいたりしていた。

 

それを二人は探偵まがいのことをやって、とうとう、ブランチは悪党に捕まって監禁される。

悪党は、温和そうな顔だが、平気で殺人をする人間であった。

殺されかけるところを相棒のジョージが助けに行った。

二人は知恵を働かせて、悪党を捕まえて出る事の出来ない部屋に閉じ込めてしまう。

二人は賞金を手に入れるし、盗まれたダイヤモンドもみつかった。

金髪のブランチも可愛いが、ジョージのとボケたような演技が、楽しいし、結構ハンサム君だ。

 

このような楽しい映画を見ると、ほっとする。やはり、肩のこらない作品は大抵傑作である。

惜しくもこの作品は、ヒッチコックの最後の作品となっている。ヒッチコックの偉大さを今更ながら、噛みしめるスッポコでした。

 

 

 

 

 

 

人生を切りひらいた女性たち 2016年 樋口恵子監修

30人ぐらいの立派な女性の中で、「相馬黒光」というパン屋中村屋を作った女性を挙げたい。

もう一人は、貿易商の「大浦慶」という女性である。

 

黒光は、先見の明で本郷東大前の中村屋を買い上げて、夫とパンを作って売った。

初めてのクリームパンは評判になって、飛ぶ様に売れる。が似た様なものを販売する店が出来て来て売り上げが落ちる。

 

今度は黒光は、中国に渡り、そこでクルミや松の実などが豊富に入った「月餅まんじゅう」をならってかえる。また、中華まんなるものも習得して、日本へ帰ったのである

中村屋の中華まんは、大ヒットして、月餅まんじゅうも東京名物となった。

東大前の店とあって、多くの学生、そして文士、芸術家たちの集う店となったのである。

 

折しもインド独立運動で日本に逃げて来たインド人をかくまった中村屋には、純インドカレーのレシピが伝わったのである。

そのインド人と、黒光の娘は結婚するも、娘は26才で亡くなっている。

 

黒光の眩しい光の中で、失ったものも多かったであろう。

また黒光の主人は、長野県の農家であったが、良くできた人であり、都会育ちの黒光のために、

東京へと出たのであった。夫婦で作り上げた店であった。

黒い光とは、眩しい才を隠しなさいという意味で恩師につけてもらった名前であった。

 

 

大浦慶

長崎生まれの大浦慶は、日本茶をイギリスなどに売ることをおもいつき、長崎港を根拠地にして

外国を相手に貿易にはげんだ。まだ江戸時代の大混乱の幕末期である。女だてらに、大きな勝負に臨んだ女性であった。

イギリス人の貿易商人と組んで、沢山の日本茶を海外に送った。これによって、莫大な富を手に入れる。それによって、幕末の志士らの頼る人となった。

確かに、日本茶は美味い!

  

だが港の中心が横浜に移ったのち、大浦慶は商売に迷う様になった。

良い取引がないかと探すうちに、タバコの取引があると聞かされ、話に乗った。

しかし、それで、騙されてしまい 、大きな借金を背負い、罪人として裁判にでるはめになる。

騙された自分が悪いとは思いつつ、商売で、アンフェアな事はやってはいけない恥ずべきことだと

裁判所で言い放つ。

だが結局、多額の借金を家屋敷を売りはらっても、清算したのである。彼女は何より信用を大切にしていた。だがこの世は、人を騙す人がウロウロしているものである。

 

このように、大きな商売をしてきた気骨のある商人でも、心の隙に付け入られ、だまされるということである。

これを、反面教師としておしえてくれた大浦慶に、感謝する次第である。

誰もが、この事を心にとめておくべきであろう。

 

 

なりたい自分になろう! 人生を切りひらいた女性たち2経済・教育・社会編

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サクリファイス アンドレイタルコフスキー 監督 1986年 スウェーデン

タルコフスキー監督のノスタルジーは、1983年、それ以後この作品が、事実上の遺作となった。

彼は54歳で亡くなっている。サクリファイスの主人公も50歳の誕生日を祝う話ではじまる。

監督は、主人公アレキサンダーに自分を重ねている。

かなり深刻な問題であり、監督自身をさらけ出した祈りの様なつくりになっている。

男には、妻、娘、幼い息子の3人と住む家があった。

誕生祝いに集まったのは、ドクター、郵便局員で、この郵便配達人のオットーという男が、曲者であった。神のことなどについて知っていた。

ダヴィンチの3人の博士の来訪の絵を、怖い絵だと言うのだった。

 

そして突然に終末戦争が来て、核兵器ミサイルが4本も飛んできて世界が終わることを知るのであった。

家族は怯えて、パニックになる。妻は、叫び出して、たおれてしまう。

皆を救うためにアレクサンダーは、どうすれば良いかかんがえるのであった。

神に祈るのであった。

そんな彼のところに、郵便局のオットーが来て耳打ちする。

「あの、召使いの女マリアと、寝るのです。そうしないと。世界は救われない。」

「いいですか、あの女と寝なさい。あの女は魔女です」

いいな、男にとってこんな嬉しい予言があるだろうか?まったく、自己有利の法則。

 

ま、それで、マリアの家に行き一緒に寝た。必死の覚悟であったが、アレキサンダーは、女に抱きついて、女々しくも泣いてしまった。

 

目が覚めたら、家のソファの上だった。

核戦争は、本当に終わっていた。皆が無事であった。

 だがアレキサンダーにはまだやらねばならぬことが残っていた。

サクリファイスだ。神への捧げものだ。

彼は家に火を放つ。

 

家族たちの通達で、救急車が来て、精神病院へ送られてしまった。

スッポコは、子供と自分を焼いて生贄にする話だとおもっていたのだが、生贄は、自分の家であった。

なんだこりゃー。

 

彼は世界に嫌気がさしていた。どうにもならない汚れた世界。

ムイシュキン公爵やチャールズ3世を演じて名優と言われてきた自分にも、何か物足りなさがあった。

アレキサンダーは、よく独白した。例によって例のごとく、この世の矛盾と不条理と、文明についての世迷言を繰り返す彼であった。彼はよく述べた。それは褒めてやる。しかし、なんか、甘ったるい香りのする文学調である。お金持ちが考えるタペストリーの模様、またはテーブル掛ですよ。

 

 

ただ、タルコフスキーは、多分だけど、金持ちの道楽じゃないの?

 

なんかそんな気がした。もっと切実に苦しんでいる人たちが多くいる中で、

タルコフスキーは緩すぎるよ。

 

彼には、幼い男の子のがいたのだ。この子は首の手術をして白い包帯を首に巻いていた。

だからしゃべれない。いつも、寝ているか、トコトコ歩いているかであった。

ただ、この子のことをアレキサンダーはかわいがった。なぜか召使いらもその子を愛していた。

子供は松の木をパパと育てていた。水をやると木が生きて、緑になる。

パパが、病院に行ってしまった後も、子供は、水を運んでは松の木にかけてやるのであった。

 

 

一部がキリスト教、一部が仏教、両方にまたがった思考の持ち主の主人公である。

ダヴィンチの絵、マリアのこと、一方、音楽に尺八が入り、仏教の求道者の様な様子もみられる。

最後は、黒い紋付の着物を着て走り回るアレキサンダー

  見る方も力がはいる。希望を託されたちいさな男の子ががかわいい。

監督は黒澤明監督とも交遊があり、多分日本の事など取り入れる事に通じる道があったこともある。

 

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こま