スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

人生を切りひらいた女性たち 2016年 樋口恵子監修

30人ぐらいの立派な女性の中で、「相馬黒光」というパン屋中村屋を作った女性を挙げたい。

もう一人は、貿易商の「大浦慶」という女性である。

 

黒光は、先見の明で本郷東大前の中村屋を買い上げて、夫とパンを作って売った。

初めてのクリームパンは評判になって、飛ぶ様に売れる。が似た様なものを販売する店が出来て来て売り上げが落ちる。

 

今度は黒光は、中国に渡り、そこでクルミや松の実などが豊富に入った「月餅まんじゅう」をならってかえる。また、中華まんなるものも習得して、日本へ帰ったのである

中村屋の中華まんは、大ヒットして、月餅まんじゅうも東京名物となった。

東大前の店とあって、多くの学生、そして文士、芸術家たちの集う店となったのである。

 

折しもインド独立運動で日本に逃げて来たインド人をかくまった中村屋には、純インドカレーのレシピが伝わったのである。

そのインド人と、黒光の娘は結婚するも、娘は26才で亡くなっている。

 

黒光の眩しい光の中で、失ったものも多かったであろう。

また黒光の主人は、長野県の農家であったが、良くできた人であり、都会育ちの黒光のために、

東京へと出たのであった。夫婦で作り上げた店であった。

黒い光とは、眩しい才を隠しなさいという意味で恩師につけてもらった名前であった。

 

 

大浦慶

長崎生まれの大浦慶は、日本茶をイギリスなどに売ることをおもいつき、長崎港を根拠地にして

外国を相手に貿易にはげんだ。まだ江戸時代の大混乱の幕末期である。女だてらに、大きな勝負に臨んだ女性であった。

イギリス人の貿易商人と組んで、沢山の日本茶を海外に送った。これによって、莫大な富を手に入れる。それによって、幕末の志士らの頼る人となった。

確かに、日本茶は美味い!

  

だが港の中心が横浜に移ったのち、大浦慶は商売に迷う様になった。

良い取引がないかと探すうちに、タバコの取引があると聞かされ、話に乗った。

しかし、それで、騙されてしまい 、大きな借金を背負い、罪人として裁判にでるはめになる。

騙された自分が悪いとは思いつつ、商売で、アンフェアな事はやってはいけない恥ずべきことだと

裁判所で言い放つ。

だが結局、多額の借金を家屋敷を売りはらっても、清算したのである。彼女は何より信用を大切にしていた。だがこの世は、人を騙す人がウロウロしているものである。

 

このように、大きな商売をしてきた気骨のある商人でも、心の隙に付け入られ、だまされるということである。

これを、反面教師としておしえてくれた大浦慶に、感謝する次第である。

誰もが、この事を心にとめておくべきであろう。

 

 

なりたい自分になろう! 人生を切りひらいた女性たち2経済・教育・社会編

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