スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

道成寺  701年建立  和歌山県日高郡

本尊千手観音などが控えている道成寺という1300年以上経っている寺だそうです。

この寺にまつわる伝説で安珍清姫伝説というのがある。

この話が、能舞台に蘇る訳で、僧安珍に恋い焦がれた清姫が大蛇と変身して日高川を泳ぎ僧を追いかけて行くというくだりである。僧安珍は恐怖に慄いて、道場寺に逃げ切りそこの寺の鐘の中に隠してもらうよう、寺男たちに懇願する。迫り来る命の危険を感じて焦りまくる僧。そんなあり得ない話は誰も信じなかったそうだが、僧 安珍の必死の形相に動かされて鐘楼に吊り下がった重い鐘の中へと安珍を押し込んだ。

清姫は、いよいよ陸へ上がり、道場寺へと上がって来るのだった。

閉ざされた寺の門を、大蛇の尻尾で打ち叩き砕いて入ってきた清姫であった。

 

蛇は鐘に巻きつき、怒りで尻尾を振り上げて鐘を打った。鐘楼に掛かっていた鐘は、落ちてしまい、蛇に巻かれて沸騰した様に熱が篭った。ゆえに、中の層は黒焦げになって死んでいたそうな。

 

その顛末が能に取り入れられ、よく練られた能として現代に語り継がれている。

 

先日古典への招待とかのNHKの番組で、偶然にみていたのだが、鼓やら、笛やらがとんとん拍子に鳴り響き、能特有の「素っ頓狂」な 掛け声が応戦して素晴らしい舞台になっていた。とても甲高い声であって、清姫の止められぬ情動が現れていて誰もが怯えるであろう様が表される。

僧役たちも出ていて、必死の祈りでお経を読み、蛇の心を鎮めようと3世世界の「あらゆる諸仏」に祈り通した。

 

元々、安珍は熊野詣の修行僧であり毎年和歌山熊野にやってきていた。何事の偶然なのか宿命なのか分からないが、清姫にみそめられ、ストーカーも真っ青の大蛇とのたたかいへと発展してゆく不思議な話であった。

寺には今でも清姫の変身後の蛇の絵画などが数点残っていて、コレはもう何をか言わんやの迫力で迫って来る。