スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

まさか発達障害だったなんて 2014年 さかもと未明

ハチャメチャなアンコを練ったようなこのエッセーはスッポコ本人が書いたのじゃないかと思ってしまうほど自分のことにそっくりで、おそろしい思いをして読んだ。
同じように困っている読者のために書きましたと言って、星野仁彦博士のお墨付きで、カミングアウトしている。
ただなんかぐちゃぐちゃで、支離滅裂でおかしげな本になっている。
とにかく母が嫌いなんだ。パパは人間じゃないようなアル中男だが、パパのことはそれほど嫌いじゃない。とにかく母が憎くて憎くてしょうがない未明だ。
星野博士は、未明の味方をして、一緒に母をこき下ろしているが、果たして、それは正しい態度だとは
思えない。良い精神科医は、いっぽうにのみ味方をしたりしないだろう。
まして、轟々と燃える未明の怒り憎しみに油を注いでいるようにみえる。
おかしいのは母だけではない。父親のおかしさは、群を抜いていると思う。
確かに、未明は気の毒であろう。こんな普通の皮を被った狂人を両親に持ってご愁傷様である。
苦労が絶えない日常生活は、すっぽこも同じ運命、とてもよく分かります。そこには死の匂いがします。健全な草の香りではなく、死体が目に浮かぶような不気味な幻影がよりそう。
未明は健全になりたかった。だがそこは健全はなかった。沼に足を取られた未明。それが自分が作り出した幻影か、相手の作った環境なのかの区別がつかないまま、じっと身うごきもせず時間が過ぎる。未明の羽も手足も、もぎとられ、ただ転んでいる一匹の虫のように。健全に生きたいと思うこと自体が、罪であるかのように感じられる毒液をかけられたのだ。
なんという無駄な時間。
未明の気持ちはよくわかった。
でもね、すっぽこは思うの。死んではいけない。
解決に向かって進むしかない。