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スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。映画の感想を書いていきます。(^o^)

春の雪 映画 2005年

三島由紀夫の原作の映画化です。伯爵の家柄の綾倉聡子と金持ちの家の松枝(まつがえ)清顕のふたりの恋愛物語である。だが世にも奇妙なぎくしゃく恋愛で、全く素直じゃないし、普通とは違う恋の進行には苦しさと言うか、不愉快さというかこんなことが現実にあったならば、普通誰でも耐えぬ恋であろうとおもう。不愉快と言えば、妻夫木の清顕役だが、ずっと不愉快な仏頂ズラを演じている。しかしそういうお話なので幸せそうにすることは許されない。これには三島を彷彿させるものがあったと思い感心した。主に写真からだが三島の晩年は余裕の無い不機嫌さが伝わってくるからだ。

妻夫木はあの頃超人気があり、竹内もノリノリでこの年結婚している。清顕は幼い頃から原作ではものすごい美男子ということである。
聡子役の竹内結子は、やはり美人である。安心して観られる美人というのも数が少ない中、伯爵の娘として、いつも良い着物や洋服を着ていて、羨ましいである。
子供の頃から二人は兄弟のごとく遊び恋の対象とは考えていなかったが、年頃になると意識し始めた二人であった。
聡子は素直な気持ちをもって清顕への気持を育み高めていった。「私にはあの方しかいない。」と一途に思い込むのは女の常であろう。清さまは帝国大の学生で卒業後は国のために働く要人になるというレールが当然のように引かれているかに見えた。それに、大した男前であったし、前途洋々の青年のはずであったのだが。お似合いの二人なのに聡子がどんなに思いを募らせても清顕はまったく無関心 を装うのだった。乙女心はこの恋に希望というものがついに見いだせずにいた。スッポコはコレは彼の同性愛のためかなと思ったりしたが、よくわからない。
そんな折美しい聡子を見初めた天皇家ゆかりの宮家の王子がいた。
王子は正式に求婚し詔勅をもって結納がかわされたのであった。家のものは大喜びで湧き立っていた。
聡子 は追い詰められ、清さまに電話や手紙でこの事を知らせようと急いだが 全く返事がなかった。それどころか清さまは、聡子の手紙を開封もせずに焼き捨てた。だがこの婚約は公になり清顕も知ることとなった。 
彼は突然に聡子が欲しいと思った。こんなに豹変して不自然すぎるし、人間としてゆるせんない。
こんなめちゃめちゃで不自然な筋書きをプロの作家が書いたとは、信じられない。恋愛物語がなにかホラーのようにかんじられる。虚ろな空洞の中でひびく恋のやりとり?
これ以後彼は人が変わったように聡子に猛進していくのである。突然の豹変に清顕の友人も苦い説教をするのだった。「手に入らないとわかって、急に欲しくなったのか。たわけたことだ。」
愛されたと思って彼との逢瀬を心待ちにする聡子 。だが彼女は本当は宮家にとつぐ身であったのだからそういうことは決して許されないことであった。場末の旅館などで隠れて逢瀬を繰り返す。
聡子は彼に身も心も愛されて、恥も外聞も、かなぐりすてた女になっていった。男のせいで聡子はおちるところまで堕ちたのだった。それもすべて清顕を愛し清顕のためであったのだ。今まで拒絶されていた愛が、堰を切ったようにあふれていく。きたない愛だ。力がまったくこもっていない。体だけ求める愛とも違う。この小説は着眼点が狂っているので、考えても意味がないのだ。以下のスッポコのコメントもこの小説がなり立つとしての仮想である。
ただこれは女は男に騙された状態で愛されているのである。いやこれは、ただの支配欲としかみえない。女は男の支配欲を愛と勘違いした!おとこは天皇詔勅を持った女が欲しくなった。そんな所だ。くだらないし、犬猫にも劣る行為である。世間に隠れての逢瀬の結果は酷いものだった。清顕の子どもをみごもってしまったのだ。こともあとうにこれから宮家に嫁ぐ者が!この一大事は両家を巻き込んで大騒ぎとなりお家取りつぶしにもなりかねない危険をはらんでいた。とうとう聡子は尼寺に預けられた。、そして誰も知らぬところで子供を下ろさせられたのだった。聡子は気が触れたということになりこの結婚は破棄され、家は潰れずに済んで一件落着の様子であった。これは新聞にも出て世間の噂となった。
その後は聡子は世を儚んで尼寺で仏に支えることを決心する。固い固い決心であった。
このように酷い目にあえば、尼さんになっても当然だ。子供も失ってしまった聡子であった。
清顕はますます聡子に会いたがり寺の門前で動かなかった。雨に濡れそぼり肺炎になってしまう。
そして遂に命をおとすのであった。 かれはまだ二十歳そこそこであった。ナンマンダブ。ナンマンダブ。全てがもう遅いすぎた。 なぜこのような筋書きになるのか不自然極まりない。三島は何が言いたかったのか。さっぱりわからないではないか。
それに、やりきれない話である。聡子の高められた純愛の糸はバッサリと切り捨てられた。このような哀れな話も少ないぐらいだ。女の純情を踏みにじる男は死んで当たり前だし、もっとひどい目にあうべきである。
映画のはじめに出てくる美しい回遊式庭園は四国高松の栗林公園である。高松の空はなぜこんなに広く美しいのだろう。。一度しか行ったことがないが、「空」に独特の何物かがある街だ。
江ノ島も出てくるかな。鎌倉の大仏もでてくるね。
まあ、この二人はうつくしい日本の景色の添え物と考えたほうが正解かもしれない。
怒るだけ損というものだ。

 

春の雪 [DVD]

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追記‥映画のエンディングの歌は 宇多田ヒカルが歌っていて変わった歌だなあとおもったよ。まあ悪くもないが。
ついでに朝ドラの「とと姉ちゃん」ではやはり宇多田ヒカルがうたっている。まあ復活ということか。