スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

エリッヒ ケストナー  人生処方詩集

この詩集では、詩という枠を超えて、詩ではないような詩を読むことになる。そしてそれが新鮮で面白いー小さな小説を読んでいるような濃いさを感じたりする。皮肉たっぷりに色々な人をおちょくって面白がっている作者だが、本当は真面目すぎるほど真面目なのを読者は分かってくる。不思議な雰囲気を纏ったこのケストナーには風呂敷いっぱいの信頼をおいてもいい。私の家財道具はこれこの通りですが、実は家出してきましたけど、よろしいでしょうか?そしてゆっくり対話するといい。そんな事も許してくれそうな…。

茶店で、ベッドで、お気に入りの木の下でー皮の剥かれた醜い木の下でもご心配ご無用ーケストナーはきっとあなたを優しく受け止めてくれるとおもいます。あ、この詩は私のことをうたっている、と思える箇所が出てくると思います。

ナチスドイツに反抗した為に、本の焼き討ちにあったが彼の人気は高かったため児童文学は守られた。また東西に分断されたドイツにおいて母と生き別れになったが(そんな詩もある)、ナチスは彼の高名に敬意を払って、お陰で母親は東側で無事に生きることができたという。

なんだかフワフワ 、グニャグニャ良くわからない人だけど、立派なひとだったんですね。