ニコスは、ギリシャで36年も続く、紳士用スーツの仕立て屋の息子であった。父の代から続いた店であるが、このところお客もなく、ギリシャの不景気に煽られて、銀行に家を差し押さえられてしまう。
この大きな危機に親父さんは、倒れてしまうし、ニコスは、店の復活を祈り、自分でリヤカーにミシンを積み込み、屋台仕立てやとして街へ出てゆく。
だが、今更スーツを作るようなお客はいなかった。とても高価なウール地を使ったスーツなど、この不景気に誰が作ったりしようか。
クソ真面目なニコスはむっつりとした男で、スーツ作りではピカイチであったが、他のことは、疎い方だった。
ある日突然に、「あなた、ウェッディングドレスは作れるの?」そんな掛け声がかかる。
その日から今度は慣れない女性物や、ウェディングドレスを手掛けるようになる。
彼の丁寧な作りや、美しいドレスは、評判になってゆく。
元気を少しずつ取り戻したニコスであったが、親父さんは、女性物などとんでも無いと怒り出す始末。
店にとっては、難局を越える方法である女性物の洋服は必須であった。
この女性物については隣の綺麗なミセスが手伝ってくれて作ることができたのだった。
この女性と不倫の関係になるのだが、小さな娘さんに拒否されてギャフン!
彼はまたムッツリの紳士洋服屋に戻るのだった…。
最後のみが、あやふやで、よくないが、わざとだろうか。
映像は綺麗だった。ギリシャの美しい景色や空気、晴れの多い気候が成せることでもあった。
人間性もどこか、からりとしているようだ。
観光産業で成り立つ島々には、露店で働く女性も多くいる。