ニューヨークに住む初老の男ボリスは、気位が高く、ノーベル賞を取るところだったといつも呟くような男で、仲間の教授などといつもカフェでウダウダとお喋りして過ごすのが常だった。
すごい毒舌で、毒ガスをまき散らすようなお喋りを得意としていた。
結婚は無意味だと悟り、妻とも別れて一人で暮らすボリスだったが、ある夜、彼のアパートに家出の女の子が転がり込み、そのまま居座って暮らし続け、とうとう彼と結婚する。
だが女は21歳で年の差がありすぎた。
ボリスは自称天才型で、時々発作的に、自殺願望がやってくるのだった。だがいつも助かってしまう。ボリスは、監督ウディアレンの身代わりのように考えしゃべる。宗教を打倒し、常識を軽蔑している。そう、監督そのものである。
若い女メロディーは、やはり若い男とできてしまいボリスは内心うろたえる。
また発作が出て窓から飛びおりると、女の上に落ちて、結局その女と結ばれる。
メロディーの母は真面目な良妻賢母だったが芸術のの才能が目覚め今では2人の男と同居している。
メロディーのパパは、自分がゲイだと気づき、男と愛し合う自分を認める。
ニューヨークに来た人々は、みんな常識を捨て去って自分の欲望に素直になって生きてゆこうとする。
何となく悲しく、何となく滑稽な都会の人々の交流社会。監督の想いは伝わったよ。