スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

シーシュポスの神話  カミュ  不条理の論評  1942年

シーシュポスの神話はカミュ自身が、いろいろな不条理な作家などの解説をしている面白い論評である。なお、これは、異邦人と同じ1942年に発表されている。

ゲーテドストエフスキーの悪霊、そして、ドンファンの生き方、そして、最後は、カフカについてだ。

わたしは、今回カフカの章のみ読んだ。あと、ドンファンとかも読む予定。

悪霊は、難しくて理解不能であった。

 

カフカの章は、おもしろかった。

カミュは審判という作品をだして、この不思議を解こうとしている。主人公はなぜ、捕らえられたのか、なぜ裁判されるのか、どんな結果になったのか。何もわからないままである。最後は、へんてこりんな坊さん二人に、連れられて荒地へと行く。荒凉とした土地に。

二人の連れはとても慇懃丁寧に主人公を扱うのだったが。目的地に着いた時、主人公は

そこで、体を押さえられ、ナイフで心臓を刺されて死ぬ。

 

城というのは、長いが、どれもこれも、城には入れない、道がわからない、進入路がいつも分からない、というもどかしさの繰返しが書かれている。

測量技士の話だが、彼はたしかに、お城からおよびがかかったから、出かけたのだったが。これもなんともおかしくて不思議な話である。カフカのこのような作品をカミュは、うまく説明している。さすがである。さすがである。カミュの解説を杖にしながら、カフカを読んでいこう

というわけだ。  

一人では、なんか不安ですから。

 

 

 

シーシュポスの神話 (新潮文庫)

シーシュポスの神話 (新潮文庫)

  • 作者:カミュ
  • 発売日: 1969/07/17
  • メディア: 文庫