シーシュポスの神話はカミュ自身が、いろいろな不条理な作家などの解説をしている面白い論評である。なお、これは、異邦人と同じ1942年に発表されている。
ゲーテ、ドストエフスキーの悪霊、そして、ドンファンの生き方、そして、最後は、カフカについてだ。
わたしは、今回カフカの章のみ読んだ。あと、ドンファンとかも読む予定。
悪霊は、難しくて理解不能であった。
カフカの章は、おもしろかった。
カミュは審判という作品をだして、この不思議を解こうとしている。主人公はなぜ、捕らえられたのか、なぜ裁判されるのか、どんな結果になったのか。何もわからないままである。最後は、へんてこりんな坊さん二人に、連れられて荒地へと行く。荒凉とした土地に。
二人の連れはとても慇懃丁寧に主人公を扱うのだったが。目的地に着いた時、主人公は
そこで、体を押さえられ、ナイフで心臓を刺されて死ぬ。
城というのは、長いが、どれもこれも、城には入れない、道がわからない、進入路がいつも分からない、というもどかしさの繰返しが書かれている。
測量技士の話だが、彼はたしかに、お城からおよびがかかったから、出かけたのだったが。これもなんともおかしくて不思議な話である。カフカのこのような作品をカミュは、うまく説明している。さすがである。さすがである。カミュの解説を杖にしながら、カフカを読んでいこう
というわけだ。
一人では、なんか不安ですから。