イギリスのロンドンで、発表したツアーについて、世間ではいろいろな噂が飛びかった。
このツアーは本当に実現するのだろうかと、危ぶまれるばかりであった。
いっぽう、弱り切ったマイケルを一目見たいとか、復活できるかどうか見定めたいとかで、このロンドンツアーの期待は大きかった。
「THIS I S IT 」とは、もうここまで!もうおしまい! これでどうだ!のような意味があるという。最後のツアーだと言っていた。
事件や、訴訟や、あらゆる根も葉もない噂に傷つけられたポップロックの王者はなぜこのような悲惨な末路をたどったのか。
この、this is it は、2010年であり、死後に、リハーサルの模様が編集され作られたものだ。
版権は、ソニーが買ったという。
昨夜、「マイケルの真実」のような番組が、NHKで、放映され、なぜか録画ができず、ボーッと見ていた。まあ、マイケル、お懐かしやと、見ていると、
30分ほどで、北海道で、強い地震があり、マイケルの番組は乗り換えられてしまった。
怖いことだ。それからずっと、地震の中継になってしまったのだ。こわく、不思議な感じもした。
なぜ今日の日に、マイケルの特集なのかと。地震があること知っていたの?まさかね?
チェ、日本ばっか、地震多いなあ。怖い記憶が、蘇る。ピ、ピ、ピ、ピ、速報の音、怖すぎだろ!この野郎!
恋のメロディーに出ていたマークレスター(英)が、友人として出ていた。特別な友人らしい。
舞台で、頭部に大やけどをして以後、彼の生活は薬なしではやっておれなくなった。
鎮痛剤、睡眠剤、興奮剤もあっただろう。
毎日の点滴。きつくなる薬。
生きる指針を失っていた彼であった。なぜだろう。あんなに大スターなのに。
家族になぜか虐められ、顔の作りなどについて劣等感に苛まされていたらしい。
家族がなぜ、いちばんの売れっ子の彼を虐待するのか、不明である。
火傷、骨折(落下)が、舞台中に起こったことのトラウマと戦う彼に、また次々と不穏な事件が起こっていく。
ただ舞台の上でだけは、誰よりも輝くことができた彼には、舞台以外の生活はトラブルに満ちていて
暗い不吉な影のように感じられるようになった。
DVDを見る限り、素晴らしい出来上がりのようだ。細かいことにもあれこれチェックして、スタッフ達に指図もしている。
明日、死ぬ人とは思えないのである。
ダンスも、力強く、ステップも軽やかに踏めていた。歌声ものびのびと響く。
スムーズクリミナルのダンスも完璧だったのに。
その夜、強い薬の点滴を受けて、そのまま、あの世に行ったらしい。
事故死ともいえるものだった。
美しすぎるダンサー。真似のできないカリスマ性のあるシンガー。
オリバーツイストや、恋のメロディーで、子役だった、マークレスターの協力を得て、結婚後は、
子供を作ったマイケル。
親権はマイケルにあったが、本当の父親は、別の人だという真実。
トリックの中に生きる人であった。スターだからしかたないとはいえ、彼の顔を見ていると、なぜか、歯がゆい気持ちがするのである。
作られすぎた仮面をかぶっているような表情の下には、苦悩に満ちた人生があった。
最終的には、金づるとして彼の周りには、たくさんの人々が、グルグルと取り巻き、親類縁者も、彼に連絡も取れなくなっていたそうだ。
悪魔に、魂を売り渡した男、という言葉が似合いそうな彼である。スリラーや、ビートイットや、バッドなどの彼の歌を地で行ったようなことが、なぜか納得を感じるのである。
まあ、そんなことができるのは、やはり彼しかいなかったのだろうな、と思う次第だ。
マイケル、素敵な歌をありがとう!