スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

CHANEL 山口路子 2017年

COCO  CHANEL   という人は、孤児であったが、それを隠して仕事をしていた。母は、幼い特に死んでしまい、父は娘を捨てた。

このような逆境が、彼女のもとになっていることは真実だろう。シャネルは嘘をついたことに悪びれることもなかった。

彼女には自分にしか出来ない大切な仕事があったからだ。

 

テレビなどで、タレント達は、このバッグはシャネルです、とか嬉しそうに語っているが、実は殆どの一般人が、シャネルの服が、なんぼのモンんだとか、知らないであろう。シャネルの服を着ることなど、一生ないからだ。バッグなど尚更であろう。多分、いいものなのだろう。偽者が、多く出回っているだろうがあの直線的なデザインは、全く現代的ではない。ワークウーマンの為に作られた服であった。

反対に、とてもルーズな、ジャージの生地の洋服も沢山作った。これは、とても現代的なデザインである。

黒一色の服も作った、その頃は葬式に着る為の色であったが、黒い色の魅力にいち早く気がついた彼女であった。幅の広い洞察力と、デザイン力だ。

直線的ツーピースは、フィット感のあるその着心地は、最高であっただろう。裏地にとても神経を使って、作られている。着心地と、機能美に満ちた洋服であった。

一度手に取ってみたい逸品である。きっとシャネルの、心が理解できるだろう。本物の良いものというのはそういうものだ。

シャネルが作り上げたものは、完璧に近い物であり、彼女の心血を注いだ作品である。

彼女は仕事を何よりも大事にしていて、パーティーなども、適当に切り上げて帰ってしまうのだった。いつも仕事のことが頭にあった。

ジャンコクトーピカソ、などと、同時期の人であり、彼らと友情の関係も保っていた。だが、自分は職人で、芸術家ではないという、意識を持って生きた。

 

若い頃、シャネルNo.5の小瓶を持っていたが、よくわからなかった。多分、大人の香水であったと思う。だから理解不能

もう一度、手に入れたいが、わたしには高価なので、ちょっと躊躇している。

今は、オマケについていたオレンジ香水と、レモン香水を愛用している。

あと、金木犀や、沈丁花や、ハーブ系のものが欲しいのである。セクシーガールのピーチとローズ、または、カボティーヌというのも良さそうだった。

人に、邪魔にならず、楽しめるものがいいな。こういうものはキリがない、始末に負えない贅沢品である。

 

 

ココ・シャネルの言葉 (だいわ文庫)

ココ・シャネルの言葉 (だいわ文庫)

  • 作者:山口 路子
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2017/10/12
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

リトル ストレンジャー 2018年  アブラハムソン監督

イギリスの古い歴史を持った家が出てくる。その家に行くには、木々に囲まれた長い道を辿らなければ着かないのだった。

その道を一人の若い医師が、車を走らせるている。美しい景色だ!美しい緑の木々!

つまりはイギリスのこの麗しの風景を撮るために作られた映画なのではないかと思える。

 

医師は、若くてハンサムな男性モデルのような風貌とスタイルである。

見ているだけで、「ふーむ」となる。 

 だがこの映画 内容はほぼカスである。

だいたい医者がこんなにハンサムってありえんだろよ。まあ、稀にはあることだが。

 

この男は子供の時から、このお屋敷に強い憧れを持っていて、大人になってからもお屋敷が栄えていた頃のことを良く覚えていた。大きなパーティーが催されたときのことも。

少年ははこのお屋敷が欲しかった。このお屋敷の主となりたかった。母は、この家のメイドとして働いていたのだ。

邪魔者を次々と殺してゆく医師。怖くない。何がポルターガイストだ。

 

少年の心が乗り移った若き医師は、とうとう正体を見破られてしまうのだが、

古いお屋敷の豪奢であった生活の片鱗があちこちに残る重厚な様子は、圧倒感があるかも。

ただ監督が、こんなのが好きだという映画だと思う。

 

 

 

奇跡のりんご   阿部サダヲ主演 2013年  中村義洋監督

木村秋則という男は、木村家に婿養子に来たが、りんご農家の後を継ぐことになった。

気候の変動などで、良くも悪くもなるりんご生産は、、本当はやりたくない仕事であったが、婿に来た以上やるしかなかった。ま、実話なのだし、「秋則」という名前が、やはりリンゴと深い関係があったと思われる。

 

津軽のリンゴは日本の中心と自負する青森の人々。日本中のリンゴ農家が、あまりの難しさから園を廃止する中、津軽だけは園を続けた。その労力は農薬の無かった時代、口には言えないほどの苦労があった。

 

今では厳しい農薬を10数回も撒く仕事には、体がついてゆかず、また、妻も、病気で寝込むことが多かった。

木村は妻のためにも、無農薬で栽培できないかと考えた。昔の苦労に戻りたいというのか、だれもが訝った。

ここから苦難の道のりが始まったのだった。りんごには、ものすごい病気と害虫のつくのが当たり前であった。農薬なしでは、育たないとされた果物である。手入れにも手がかかる果実の木リンゴ。

虫がつくと、何千何万の大群となり、木を食べ尽くす。

だが、それでも、彼は10年以上、無農薬で研究するのは変わらぬ日常であった。一旦やりかけたことは、とことんやり抜くそういう男。

とうとうお金もなくなり、電気も止められたが、やめなかった。村人は狂人として扱うようになる。

 

だが彼も家族も疲れ果てていた。彼は山で死のうと思い、一人歩いて行った。ところが、そこで、山の中の一本のリンゴの木と出会う。

虫もつかず、スクスクと生茂るリンゴの木であった。驚いて、下を掘ってみると、ホクホクとした良い匂いの土があった。思わず食べた!

 

これだ、問題は土だったのだ。

土を山の土のように草を生やし自然に戻せば虫もつかぬ良い木になると分かった。10年以上の月日が経ってしまっていた。

土の力に気づいて後苦労したりんご園は、見事に復活し、花がたわわに咲き、りんごが成った。

村の人々も、驚いて、リンゴ園に集まった。穀潰し(かまど消し)の木村の園に花が咲いたと言う噂は、広まった。とても美味い美味しいリンゴは、人々の心を掴み注文が全国から来るようになった。

 

彼の苦労話は、ご存知のように本になり、彼は、講演に呼ばれる身となった。

 

無農薬で、この闘いは、生易しいものではない。

汚れた野菜汚れた空気や雨、農薬と、化学肥料で、すっかり作物が育たなくなった畑はすぐ近くにあるだろう。

 

無農薬というのは、思った以上に難しいものだ。昔の農業に戻った感覚もある。私が子供の頃は一日にち中、水田で、草をとる農家の主婦達。

これらの人々に支えられてコメは作られていた。川には、魚が沢山いたものだ。せめて自分の家の食い扶持だけでもと、簡単なものはつくっている。たまに農薬を撒くと、全て自分に返って来る気がする。「自然素材」と書かれた農薬なのに、これが結構ヤラレタ感満載である。

 

 

 

奇跡のリンゴ

奇跡のリンゴ

  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

 

 

 

 

なくもんか  阿部サダヲ  主演     2009年

宮藤官九郎脚本でなるほどと思わせる。まあ本格的な映画ではないけどね、そこが、彼の独特さである。底抜けに人の良い役のサダヲが、面白いのか。石田あゆみもうまいキャスティングしてあった。

皆若い、10年前の映画だから。

 

小さい時に、親に捨てられ、商店街のハムカツ屋の家で育てられたサダヲであった。いつもいつも笑顔で生きていて、人のためにはなんでもする心がけの良い善人であった。皆に可愛がられて、そのお返しに、また人助けをする毎日であった。本当の子供ではなかったが、ハムカツ屋を継ぐことまでして、

美味しいと評判で、それで生活でしていた。ただ心残りは、弟にあって見たいということであった。

ハムカツ屋の一人残ったおばあさんの石田あゆみは、認知症が、ひどくなっていた。

そんなところに子連れの女(ハムカツ屋の娘)が帰ってきて、結婚することになる。

ハムカツ屋はますます繁盛していた。女房もできて張り切るサダヲであった。

そんな折、弟がテレビにでていた。漫才の芸人になっていた。とても売れっ子で、すごい人気であった。

兄だと名乗るが、馬鹿にされる。でもめげないサダヲであった。

どんなことがあっても、まず相手のことを考える変人ともいえるサダヲ。

 

でも、ある日、自分を捨てた父親が店にやってきた。サダヲは、父だけは許せなかった。
おばあちゃんの石田が親を馬鹿にする者は許さん!と言って頭を叩いてきた。

本当はこのおばあちゃんが一番よくわかっているようだった。認知症も治ってしまう。奇跡的だ。

最後は家族で沖縄旅行に出て皆が新しい家族になって、帰って来る。

めでたしめでたしーで、幕が下りる。

 

 

なくもんか

なくもんか

  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: Prime Video