スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

秋のキノコ狩りの話 「谷」 宮沢賢治

小学生の男の子が二人で、山にキノコ狩りに行った。秋も深まったある日のこと,キノコがいっぱい生えているところに行こうということになって、さっそく山に登って行く。

きのこをいやというほど沢山採ったので帰ろうとすると、理助が急に、「さて、ちょっと崖を見て帰ろうか」と言う。一緒に歩いて行ったところ、突然足の下に深い崖が現れた。それは真っ赤な口を開けて下の方は見えないほど深く切り立っていた。赤い壁に、ときどき縞模様がみえる。火山噴火の溶岩らしい。

ゾッとして後ずさりすると、理助が、「もっと下をのぞけよ」という。目がクルクルして、苦しい。

「ここに此処には絶対に一人でくるなよ。此処に、落ちるぞ!」

山には草木が生い茂り崖が見えない。気がついた時には崖に落ちてしまうこともあるんじゃね。

 

家に帰って兄にキノコを見せたら、なんでこんな茶色い古いキノコばかりを取ってきたのかと、きかれた。

理助は「白いキノコは漬物用と行っていた。うちは煮て食べると言ったら、茶色いのがよかろうと教えてくれた。」理助はサッサと白いキノコばかり採って持ち帰ったのだった。

ただキノコのある、あの崖のある場所だけは兄にも教えなかった。

 

別の学友と崖に来た。崖のことを自慢したかったのだろう。ところが、その崖は突然現れた。危ないところだった。「ヤッホー、バカヤロウ!オオバカヤロウ」と崖に叫ぶと、同じこだまが返ってきた。

しかし、だんだんこだまが変な風に聞こえてきて、妙な笑い声も聞こえたように思った。

学友と私は、身震いして後ずさりし、次の年は兄らとともにそこにキノコ狩りに行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

谷

 

 



 

Too young to die ! 若くして死ぬ 宮藤 官九郎監督 2016年

長瀬智也の、「マザーファッカー!」の叫びで始まる地獄篇、コレは高校生の修学旅行のバスが崖から落ちて、みんなが死んでしまう物語。

ただ、(関)神木という男の子だけが半分死んで地獄で目がさめる。

怖い鬼がうようよいて血の池や、剣の突き出た山などが、待っていたのである。

神木はただただ、女の子に恋をして告白することばかり考えていた。

彼女に会うためにとにかく地獄から抜け出して人間界に戻ることをもくろむのだった。

鬼たちは、皆、音楽をやっていてギターでボーカルの長瀬智也、緑の鬼はドラムの桐谷健太、ギターの清野菜名が中心だ。清野は、半分青いで清純な感じの役で、スズメの親友をつとめたのだったが、凄いメイクで全く分からずである。

あの人はなんでもできる女優で、器用すぎて淋しい気がする。

 

閻魔様が人間界に帰れるかどうか判決を下す。

 

鬼たちにも現世では、普通の人生を送っていたのだが、ひょんな事で、地獄まで落ちて来て半永久的に閉じ込められているのだ。

 

地獄の説明まで付いている映画だった。何を今更である。水木しげるの3番煎じじゃあるまいし。

 

宮藤のために沢山の役者が集まったが、

進展のないストーリーだった。

歌も、へぼいし、「mother fucker!」と高音で叫んでばかりなので、これが地獄のロックなのかと、よく分からなかった。

 

ド派手な衣装や、尾野真千子の死神や、シシド・カフカの女ドラマーなどに、戦力を注ぎすぎてしまったのか。

 

さいごに神木は人間界に帰れたが、好きな女の子は結婚していて、しかも、すでに老婆にまでなっていた!

「神木が好きだった」と女は告白してくれた。

彼にはもうそれで十分であった。

 

 

 

 

 

 

君の名は 2016年 深海誠監督

一気に話題になった君の名は(Your   Name)  を今頃見たけど、びっくりするやら何やら、こんな映画だったなんて、想像もしなかった。

滝くんと三葉を結ぶのは、運命の赤い糸だった。

ところは長野か岐阜かであるが、ここは監督の故郷でもある。

映画では糸守(いともり)というおかしな名前の町である。

このネイミングからして、もはやである。昔から伝統の糸を編む町であったという設定だ。

男女の魂が入れ替わり、乳房があったり、することに戸惑うふたり。

だが、この監督は二人の魂の交錯として、これを描いた。あくまでも若い二人の魂の出会いである。

奇抜な感じは強くするのですが、何かさみしいです。

 

未来に行った三葉が、隕石がこの町に落ちることを知ってなんとか人々を救おうとする。

 

メディアではすごい映画と流されていたので期待しすぎてしまったようだ。

 

 

まあ、隕石が二つに分裂して落ちるというのも奇抜だが、残りの大きな方の隕石は、地球を超えて彼方に飛んで行ったのかしら。

 

結果イトモリは、(イモリみたいだが) 滝くんや三葉ちゃんのおかげで町の人々の命は助かった。

魂p

 

 

君の名は。

君の名は。

 

 

 

魚からダイオキシン 1992年 宇崎竜童監督 内田裕也主演

1991年に東京都知事 に出て落選した内田裕也は、傷心のままニューヨークへと旅立つ。

最初から内田ワールドそのもので、大変面白かった。

この映画を酷評する人もあるが ワテは結構楽しめた。ただ単に裕也が好きなのだ。

 

始めからヨーコオノ、だのジョンレノンだのという固有名詞がぽんぽん出て、エスタブリッシュメントという言葉も久々に聞いた。オノヨーコがよく使っていた言葉だ。既成概念、既成社会のことだ。

作られた今の社会のことを、establishment と行って、ディスルのである。

 

そんな時代だった、あの頃、ジャパニーズロッカーの内田がそんな事を心に引き取り 映画にしてみたのだ。

 海の中から現れた裕也が、都知事選に出て、わけのわからん政見放送をしている。

それはリアルな映像で、変な歌を歌っていた。 ほんとはちょっとまじめな歌なんだけどね。

 

あとで、本木が出て来るが、この人はあまり映画とマッチしていなくて、無関係な人のように見えた。

いてもいなくてもいいような。

本木は、裕也の娘と結婚した。この映画が縁だったのか。

 

長渕剛が、バカなプロデューサー役で、祐也にバカスカ殴られていて、長渕だということがなかなか分からない。卑しい小男に見えたから。

 

最後は軍艦島で、撃ち合いや、爆発があって二人とも死んでしまう。

 

なぜか軍艦島は地下炭鉱のトンネルで、陸地と繋がっている様に描かれていた。え?まさか。

でもいいや、そんな事。

結局最後はなぜ死んだのか分からない、ずいぶん勝手なシュールな映画だった。

でもなんか面白いと思い、分かるまで観ることにするわ。100回か。

 

魚からダイオキシン!! デラックス版 [DVD]

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