スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

九十歳。なにがめでたい 佐藤愛子 2016年

1923年の大正12年生まれの佐藤愛子ですね。色々憎たらしいようなエッセイを書いてきた人ですが、しかしながら、人材不足の日本では押しも押されぬ作家になってしまった。長年の修練は力をもたらす。

彼女は北海道に別荘を持っていて友達と一緒に泊まったりしてた。冬はとにかく寒く、四重の窓から吹雪の風がシュウシュウ入ってきて寒さで眠れない。と言っていたものの、夏は快適なのか別荘を重宝していたようだ。

スッポコの母と同い年の愛子サマは老いについては、何殆ど何も書いていないが、どんなものだろうか。すっっぽこの母と同い年であるので、他人事ではない。スッポコの母は随分前から動けなくなり、ボケも酷くなっている。が、今では何も望まぬ人となり、この境地を悟りというのではないのか?

  愛子サマは、乱暴な言い方が祟って、ヤバン人とよく言われている。実はスッポコも、ケダモノのよう だ、ヤバンジンだ、とよく言われるのである。野生的な人間というよりも、わざわざ野生的であることにこだわっているので、野生的に生きていこうと意識的に調整しているのだ。こんな人間が、都会に出たら、たちまち、スッテンコロリンすることだろう。多勢に無勢じゃ。

 

 愛子サマの誕生日は、はっきりとはわからない。これはスッポコも全く同じ経験をしているので、

非常に同感、同情したのである。なぜ誕生日が二つもあるのか?本当に頭にくることだ。愛子サマもスッポコも自分の母親から聞いた誕生日と戸籍に乗っている誕生日が違うのだ。そして両者とも他人から注意されて怒られるのである。ヒドイ話だ。

 

中でも面白かったのは、十五歳の田舎娘に騙されて家のお金を取られた話である。その当時の30万円は今の額では相当なものになるだろう。変な熊のような女の子に騙されてしまった下りは、笑える。

田舎には実際にそんな女の子がいるのであるから、しかたない。

読んだ限りでは、愛子サマは相変わらず現役にみえるし、ほんとうにこのエッセイを書いたのだろうかとの疑いも湧いてくるが、先ずはお元気そうでなによりであった。

 

 

九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい