Minamata 2021年　　　ジョニーデップ主演

ジョニーデップが、水俣汚染の写真を撮ったユージン　スミス役で主演を張る。老写真家である。日本のある女性から、水俣をとってくれという依頼が来て、重い腰を上げるユージンであった。かつての専属であった雑誌Life にその事を告げるが、全く相手にしてもらえない。

かつての上司のlife編集者はビルナイがやっていた。コレはうまい。何とかかんとか承諾させて、日本にやって来た。通訳には日本の女性がいつも付いていた。もうコレは、爺さんデップの恋人のような雰囲気だ。泊まった宿は民家で、そこには寝たきりになった少女の智子がいたが、会わせてはもらえなかったーあまりの重傷のため、親が面会を拒否したのだ。我が子の酷い姿を、わざわざ他人に晒す親はいないものだ。他人の同情などいらないと強く感じている。

街のデモに参加したり、徐々に、街の人々とも知り合いになって行くユージン。

抑えた演技で、ためながら動くディップ。この映画はけっこう高く評価されたんや。

音楽は　「坂本龍一」が引き受けて、エンディングの歌など、素晴らしく、公害で苦しむ人々に捧げられたような気がする。

坂本自身、病魔に蝕まれてつらく苦しい生活を強いられていただろう。彼も、ディップも世界のいろいろな公害被害に関心を持っていた。

いよいよユージンの撮った写真が、アメリカのライフ社に送られて来る。世界中の人が、この写真を見たのだった。多分あなたも、私もだ。

母親に抱き抱えられて風呂に入る智子少女の写真である。その体は捻じ曲がっているのだったー激しい痙攣で昼夜苦しんだそうだ。

全体的にノンフィクション風になっているので、何もいうことはないが、わずかに割り切れないものが残るのも確かだ。