木蓮は、大きくなりすぎると言って、うちでは嫌われ者の木であった。
しかし春になると赤く美しい花がどんどん咲き始めるので、子供の頃は、それで春がきたと知ることができる木であった。マグノリアともいう。
桜は、少し離れた公園とかに群れてあったので、それはそれで花見である。しかし春といえば、赤木蓮である。変わった形の花弁(洋梨の様な)が、少し気に食わなかったが、咲き続ける姿はとても逞しく、
重々しく、茜色の鱗粉の様なものが周りにばら撒かれている様な気さえした。
そんなになったらどうするのか、見当もつかない。