スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ピーターセラーズの「チャンス」 1981年公開

なぜピーターセラーズの、とかいた理由はもう一つ同じ題名の映画があって、それはウーピーゴールドバーグ主演のえいがであって、全く違う趣のものだからだ。

この映画はちょっと不思議なものがたりでもある。主人公の中年男は小さい時から屋敷から出た事のない男だ。かれは園庭の庭師の子である。大金持ちのいえで広過ぎる庭があり、そこがかれの世界のすべてであった。家の周囲には高い塀が張り巡らされていた。ある日 ご主人様が亡くなった。
主人公のチャンス(名前)は屋敷から出なくてはならなくなり一人で街に出る。人生はじめてとあって、
見るもの聞くものみたことのないものばかりだ。特に車にぶつかりそうになって歩く。事故になる事も知らない。困りはてているときに、美しい夫人にきにいられて彼女の屋敷に住み込む事になる。そこも大富豪の家だった。そこの主人ももう直ぐ亡くなりそうな老人であった。何が彼を大富豪に雇われる運命にするのかは謎 のままだが。初めてテレビを見て興奮する彼、だが寂しい夫人とは仲良くなれなかった。かれは女性に興味が持てない精神的欠陥も、もっていた。やはり彼は何か普通の人とは違っていた。ただ庭師なので、植物の事はなるほどよく知っていたが。ある日ひょんな事からテレビにでることに。大統領と話をすることになる。滞っている経済問題に答える彼「ふゆのあいだは木はじっとしんぼうしている。春になると木は芽吹き花が咲きだす。なにごとにも順番がある。」それを聞いた大統領はいたく感心して、しまう。かれはただ自然界の知識を述べただけであったのに。それで
たちまち有名人になり いろんな番組に出たりするがすべて植物のことしかしゃべらない。それが的を射ったようなアンサーとなっているからおもしろい。次期大統領にというはなしにまでなっていくのだが。
最後は葬儀の帰りにいなくなってしまい、夫人をはじめ皆で探すが、かき消えたようにいなくなってしまうのである。誰かがあっちの方に歩いて行ったのを見たという。あちらには池しかない。しかも落ちたものは死んでしまうという深い池。池のほとりに彼のステッキが置いてある。
かれはその公園にある深い池に自ら沈んでいったのである。自然に帰っていった彼。 虚しいというのではないが、ふしぎな死に方である。。この映画には大した意味もなくただ夢想的な作品であるが  
夢想家の私にはもってこいの映画であった。彼が死んでもさして悲しくもない。こんな映画を好きってわたし大丈夫かなとちょっと自信をなくすでこちゃんやでした。
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追記 ・セラーズといえば、博士の異常な愛、というのがありますし、いまも時々テレビで放映される映画です。でもそれはそれ、こっちのほうが、わたしはいいとおもう。あれはある意味反戦映画ですよね。つまり原子爆弾異常な愛を持つなどといった、真逆のアピールをしているが。博士以下
演技する役者は星五つぐらい!どれもよかったけどさ。

 

チャンス (字幕版)

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