スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ファブリックの女王 2015年 ヨールン ドンネル監督

これは本当に怖いお話で、体調が悪くなり、途中で切ったが、次の日また続きを見たというキワモノであった。

なぜ体調が悪くなり寒気がしたのかは、はっきりとはしないが、きっと主演女優の、ミンナハープキュラのせいだろう。

 

それと、アルミラティアという女性の伝記であったというせいであろう。

アルミはフィンランドの女性社長である。実業家と言うのか。

アメリカにも進出し、最後は、フィンランドに「マリメッコ村」を作ろうという構想まで考えていた。

 

フィンランドで、洋服の生地を作り、世界中に売り出した豪腕社長である。

その名前は  「マリメッコ」ブランドであり、誰でも一度は見たことのある模様の製品である。

会社は彼女の努力と才能で、なんとか成功したが、その裏で、彼女は耐えられないほどの孤独と困難と戦っていた。

 

 

 

 

子供の頃から彼女は「美こそすべて」という気持ちが強かった。

彼女には独特の哲学があり、直感があり何時もそれに従って前進していった。

フィンランドの古き良き時代の物や人間中心の考え方を決して捨てなかった。

社員とは家族以上の付き合いでもあった。

時代はオートメ化になりつつあったのだが、彼女には何か手作り的なノウハウがあり、機械や、金に流されたデザインはしなかったのだ。

 

彼女はフィンランドに大きく貢献したとして大統領に表彰され、彼女の自慢の別荘に大統領を招いてパーティーを開いたのだった。人懐っこくて、正直で、芸術的でもある彼女の生き様は、なんだろうとおもえる。「フィンランドとしての考え方を商売にすると成功する」と、見抜いた彼女。

フィンランドは今でも人気の国である。北欧の神秘が人を惹きつけるのだろうか。

「厳しい気候と厳しい困難、これがない人生は、退屈でつまらない」と、まで豪語した彼女であった。

だが、企画を練り、実現させていくそのファイトは、段々と彼女を疲弊させていった。

 

一人で体を張ってやって行く仕事は大量のアドレナリンが必要であり、そうするとやはり、

人間の体は病気になる。彼女は酒が離せなくなり、糖尿病にもなり、60代後半で、この世を去った。

 

まさにファブリックの女王として天然に自由奔放に動いた女性であった。

自由、愛、直感、劇的な人生などなど逸話はいくらでも出てくる。

ドンネル監督は彼の恐ろしい能力で、この映画をつくった。

まるで、アルミラティアに操られた様に。

この映画、マジ、サイコだわ。  チャンチャン。

 

 

 

 

エル ブリ世界で一番予約の取れないレストラン 2010年

スペイン の海を臨むバルセロナにある三つ星レストランのエルブリである。

エルブリというのは、スペイン語で、ブルドッグのことらしい。

フェラン  アドリアという男が中心にいる。この男のいうことがすべて正しいとされている。王様である。

微に入り細に入りの手法があって、真空にしたり、オブラートのようなもので包んだり、氷を使い、エアーを使い、オリーブオイル、ジンまあ 素人はほとんど知らない、ありとあらゆるものが試されてゆく。

フェランはニヤリとも笑わないで、テーブルに運ばれる試食品を少しだけ味見してゆく。

皆の顔に緊張が走ると見えるが、それが日常の店である。

それらの料理を一つ一つ写真に撮り記録して書き留めるフェランとパソコンに入れていく人とである。

何かよく分からないまま映像は進んで行く。

どんな一皿として、出来上がり、お客に出されるのかが分からない。部分部分の料理だけしか分からない。

 

お客は一人も出てこない。どんな人が来ているのか、どんな風に、食べているのかも謎のまま。

一年に200万件の予約がはいる超予約できないお店だからか、とてもお客の顔は見せられないのだろう。

でも映画なんだから、役者を使ってでも、やってほしかったな、食べているところ。

ノーマでも、やはりお客は一切出てこなかった。

エルブリでも同じだった。

お客が来て食べて意味がある、活気が出るというのがレストランというものだろう。

それともシェフの方が客より偉いのか?

うむ、やはりよく分からん。面白くない。我々はただ、指をくわえている幼稚園児の様だ。

どうせ、行くこともないレストランだし、なんか難しそうだし 、

営業秘密というものもあって、きっと本当の姿が撮りきれなかったのでは、とおもう。

誰も企業秘密は明かさないだろう。わてもいつもガセを掴まされる一人です。

現在エルブリはもう閉店したため、そこで働いていたトップシェフらによって新しい店がエルぶりの軌跡を継いでいる。

フェランアドリア、彼はきっと、疲れちゃったんだよ。

 

 

 

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ノーマ東京 2016年 モーリスデッカーズ

デンマークの首都コペンハーゲンにあるノーマというレストランは、世界一という異名を持っている。

レネ   レゼピというシェフを中心に、出来たレストランであり、3000人の要員を擁する大所帯である。世界中から武者修行にやってくる料理人たちである。

店には、世界中の人々が 遠い所からでも、やってくる。それだけの価値のある料理を出し、店の雰囲気も良いのだろう。

ここで働く人々は、一年続いたら長い方で、ほとんどがそのキツサに降参して辞めてしまう。

2年持ったら。一流のシェフとしても通用するぐらい鍛えられるのである。

 

自然に素材を大切にした凝った調理が出される。

そのノーマが東京に期間限定でやってくる。準備は数ヶ月前からホテルの厨房にこもりっきりで、考えられ準備されて行く。気の遠くなるような準備である。青森から沖縄までの天然の食材が選別されて行く。くるみは長野産、キウイは沖縄産、というふうにその土地に足を運んで実際に味をみて決めている。山中に自生するキノコさえも、実際に歩いて収穫して味を見ていた。ナメコのネバネバに驚くメンバーたちであった。生きたエビのみを生きたまま出すのが一番美味しい、死んだエビは味が落ちるといった判断ができることがすごいとおもう。

 

たくさんの料理人たちが支えて、たくさんの訓練生が、時間を徹して作ってゆくソースなどは何時間もかけて煮込んである。これらの一皿、一皿は、実際はどんな味なんだろう。

 

ここで働く人たちの共通する気持ちは、自分の時間が一切なく、全てノーマの料理のために捧げているということらしい。

自分は他の世界の人たちとは変わっている。自分はきっとおかしいんだ。と思っているというものである。

精神世界を変えてゆくノーマという働き場所。

ある意味過酷過ぎるのであろう。

それでもなおかつその聖地に入りたいと願う若者は絶えないのだろう。

 

 

 

ブルージャスミン 2013年 ウディ アレン監督

ケイトブラシェット主演の、情けない映画。

腐敗したハリウッドを抜け出したアレン監督は一体どこで何をしていたのでしょうか。

このたびはケイト・ブランシェットなんて言う女優を使って何か物悲しい映画を作った。

大体ウディ・アレン監督は、もの悲しそうなうつろな顔をしているではないか。だからやっぱり映画位

ハッピーエンドでなくては救われないよね。

ケイトは気位が高く、現実的なことが苦手。大学を退学して急いで大金持ちと結婚したが、そいつがとんでもない詐欺師で破産してしまい一文無しになって、妹のアパートに転がり転がり込み迷惑をかける。

そんな自分が情けなく許せなくてますますおかしい男と付き合って、嘘だらけな人生を送るようになる。

 

挙句の果てには元旦那にも子供にも捨てられてふらふらと街をさまようような女になってしまう。

大体ケイト・ブランシェットは難しい女優だ。美しい女優の一人だが使い方によっては暴れ馬になったり

ロバになってしまうこともある。

この前までケイトは、キャロルという映画でレズビアンの年上の女を演じていた。

その時もなんとなくふに落ちない演技であった。

思うに、彼女はきっとスランプにおちてしまったのだろうとおもう。

だがスランプも人生では必要なことだ。どんどん駆け抜けて行くと、きっと、崖から落っこちて、死んでしまう。そんなもんだ。スランプは、実はケイトを助けてるんだね。

今回のジャスミンと言う映画では化粧も剥げ落ち、安定剤やアルコールをがぶ飲みしてフラフラのそしてよれよれの中年女を演じている。

これではせっかく出演料の高くつく女優を使っても、あまり意味がなかったと思う。

お金稼ぎに出たような映画だし、アレン監督も分かっていて、彼女を使ってやったんだろうね。

アレン監督も少し反省をして、より良いそしてハッピーエンドな映画ばっか作れば良いのでは?

 

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