スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。映画の感想を書いていきます。(^o^)

ミツバチのささやき 1973年 スペイン映画

ようやく手に入れたミツバチの映画。どのように批評すればいいのかなあ。ちょっと一口では言えない

スペインの広い野原が出てくるのが印象的だ。スペインの片田舎の美しい風景と無駄のないカメラワークが続く。

主人公達が住んでいるのは田舎なのか、町なのか、よく分からない。ただ小学校があって、主人公ら姉妹はそこに通っている。

 

この街にフランケンシュタインの映画が来た。町の老いも若きもこの珍しい映画をを見ようと集まってくる。罪もなく人に追われるフランケン。この映画は姉妹の胸にも焼きついたのだった。

姉はイサベラ、妹はアナといった。

 

店らしいものは何もない村のようだ。しかも雨も少ない乾燥気味の空気が見える。主人公らが住んでいる家は、中堅どころの立派な大きな家で、父親は蜜蜂を飼っている養蜂家だ。

窓ガラスの模様も蜜蜂の正六角形なのが、おもしろい。インテリヤとしてやり過ぎである。

養蜂で財産をきづいた家なのか。

 

主人は物静かで、黙々とマイウェイで仕事をこなし、夜になると何時間も書斎で、文章を綴っている。その為夫婦は、すれ違いの生活が続いていた。

奥さんは、しょっちゅう、手紙を書いては、自転車で何時間もかかりそうな郵便局だかステーション(駅)まで行くのが日課のようになっていた。誰に手紙を書くのかって?うん、それは、元彼にです。これってフリーンじゃないのってこと。

 

さてそのようなちょっと裕福な環境で、2人の姉妹は、仲良く遊び、活発に活動するのだった。

姉は妹をあちこち連れ歩き、結局危険な羽目になりそうで見ていると怖い。でもけっこう子供の頃って、あちこち探検するもんじゃないのかなあ。廃屋にしのびこんだりしてさ。

 

ところでスペインって雨があんまり降らないのかね。奥さん自転車で、一日中走ってんのよ。家政婦もいるし、いい身分だよなあ。

ただこの母親の秘密が、じんわりと子供達の心を犯して行くのである。

 

姉のイサベラは飼猫の首を締めて殺そうとする。

また、本当に死んだふりをして妹のアナを心底驚かすのであった。

姉のその意地悪い二重人格は 多分お母さんの秘密と関係ありそうである。

 

父親は、子育てにはあまり関心もなく、ただ良い夫として振舞っているだけなので、妻の秘密など考えたこともなかった。

 

ある日、キノコ採りに子供達を連れて行き、美しい松林で良いキノコと毒キノコの見分け方を懇切丁寧に教えるのだった。つまり良いパパである。パパは、亡き父親を尊敬していて、身体も強く頭も賢い良き親であったことを強調する。つまり自分も由緒正しい人間だと子供に教えるのだった。

こういうことは得てして間違った方向へと進みがちなものである。真反対の極道になる恐れもある。

ま、中堅階級ではありがちなことではある。夫は、妻の気持ちを知らないし、知ろうともしない。

欲求不満の妻の胸の内は、どんどん、夫から離れていっていることにも、無関心なのである。

由緒正しいことと、ミツバチの物語の著述だけが彼の関心事であったから。

 

パパの無関心と、ママの秘密。

ただ子供達だけには、それが、現実的に影を落とし、子供達はその影に呑み込まれていった…。

 

ある日、妹のアナは、野原(といっても広い平原のようにも見えるのだが)のはての廃屋に興味を持ち、学校帰りに寄り道する。

そこでアナは傷を負った脱走兵(脱走兵は銃殺の罪にあたる)を見つけ、食物や衣服を与える。

アナにとって、彼はフランケンシュタインとも妖精ともつかない不思議な友人であった。

子供のアナも所詮は孤独な人間であったのだ。

 

彼は警察に見つかって銃殺され、かくまっていたアナに疑いの目が向けられる。親に怒られて、アナは森へと逃げて帰って来なくなった。

アナは行方不明になり、村人も、松明を持って捜索するのだった。

 

この騒ぎは、母親の心を驚かせ、不倫の心を持っていたことを、自ら恥じたのだった。

母親は、元彼に出す手紙をそっと焼いたのだった。

 

だが、実際は子供が行方不明でも心を入れ替えない親もいるものだ。

スッポコの親はそういう人であった。散々心配かけたのは、ママにまともな親になってほしかったからだ。スッポコのママはイカレてたからねえ。何を仕掛けてもムダだったよ。信じられないよ。

ただ、スッポコの両親はダイヤモンド婚(60年間)まで過ごして、まだ片方は生きている。夫婦とは、よく分からないものだ。

 

アナは見つかり家に帰った。子供の心は夢見るカラクリ箱のようだ。

だが、親たちの真実を見抜く澄み渡る鏡のようでもあるのだ。彼らは小さな人生を賭けて、真実を伝えようとする。心に刺さった小さな棘が親の心臓に達しない様にと願ってのことだ。

 

 

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