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スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。映画の感想を書いていきます。(^o^)

映画 HAZAN 2004年

陶芸家の板谷 波山は茨城県の下館にうまれた。子供の頃に見た美しい陶芸品の事が忘れられない人間であった。大きくなって、国立芸術大学彫刻科にはいる。友人の岡倉天心がいて、のちにいろいろ力になってくれたりするのだ。さて、学校の先生となった波山は、通勤の汽車代をうかせるために、毎日遠い山道を歩いたのだった。彼は結婚をして子供が次々にできて、暮らし向きは、らくではなかった。
この貧乏は彼と彼の家族を長いこと苦しめることになる。ある日、突然、陶芸にめざめたのである。いや突然ではない、遠い幼い日彼は美しい器を見ていた。それに恋い焦がれたではないか。
陶芸を始めるから、大学の職は辞するよ、という板谷(榎本孝明)に、皆が驚いた。いまでも苦しい生活なのに一体どうして。しかし彼の決意は変わらなかった。よっぽどのことなんだろうね。しかし頑固だなあ。
また彼の奥さん(南果歩)は彼のよくするところを理解し、なにが何でもついて行くというのだった。 
明日食べる米もなく、奥さんは食べずに、子供たちにご飯をやるのだった。米屋に借金して米を買うしかなくて、いつもいつも言い訳やわびをするのは奥さんの役であった。見るに見かねた友人の岡倉天心が、もう一度学校のの職に戻れる様に骨をおると言ってくれたが、波山はそれも断ってしまう。
大学では横山大観が大手を振っていて、俗人根性の風が吹くようになっていた。岡倉はそんな愚痴を波山になら話せた。
波山は焼物に邁進した。奥さんのおかげで邁進できているのだが。いろいろな人が、時々見に来る様になった。たまには焼物が売れるのだ。彼は俗人のスポンサーの言うことも聞かず、気に入らない焼物は、バンバン割ってしまうのであった。美しい、色柄の焼物のどこが彼を激怒させたのか。
割れた美しい破片を拾って手に取り首をかしげる人々であった。借金取りまでもが、彼の気迫に驚いて、たじたじとなり、割れたツボを見て、その芸術性に心を打たれるといった風であった。
彼は釉薬にも工夫を重ねて行き、ついに思い通りのものが焼けそうになった。
すべての収入が、窯を燃やす薪代になって消えていった。
嫌味な借金取りに奥さんは言う「主人の焼く器は、必ず、天皇陛下の所に持っていかれる様になるのだから、そのときはあんたがたは、後悔しますよ。」
これだと思った焼物を焼く日に、運悪く薪が切れてしまった。かれは斧を持ち出し、家を壊して、薪にした。今回の焼物は高熱で焼くため沢山の薪が必要であったのだ。でも家まで壊すとは、おそろしい。これは子供の頃の夢がただの夢ではなく、現実としてかれの心に現れたからであろう。その強さは、彼が大人になった今、半端ないものになっていたのである。
とうとうかれの理想とする焼物が焼けた。完成だ。そしてそれは本当に、天皇陛下の元にとどけられ、お褒めの言葉をいたのだった。文化勲章を受けた事も彼を鼓舞した。彼の壺や、皿は、派手なものがあって、好きずきだが、こういう生き方ができるって、うらやましいものだ。飛び抜けて変わった生き方でもある。f:id:dekochanya:20160117232108j:image   f:id:dekochanya:20160117232121j:image ハンサムな榎本孝明が演じたが、本人にも似てるし、本気そうに演じていてかなりよかった。が、本物の板谷のクレージーさには少し及ばんかったとおもうがどうだろう。
f:id:dekochanya:20160117233726j:imageスッポコ谷は、波山の焼物の写真集を見た。まあ、スッポコ谷がこっそり持っている壺には波山もかなわないと思った。植物の葉が抽象的渦巻きを作っている大きめの丸い壺だがね。この花瓶によくヒマワリや、ダリヤなどを飾って遊んだ子供の頃を思い出す。



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