この世から行ってしまうまでのhide の生きた時間を一歩一歩、歩いていく。(hideの軌跡)という言葉は、スッポコが勝手に書いたものである。悪しからずだ。
関係者も出席して話すのだが、最後は涙声になって、話せなくなる場面が多い。
皆が愛していたhideの思い出は尽きない。稀代の天才であったと、いえる。
今まで公にも公表されなかった話があった。
hideの最期の時、そして、hideが最後に吹き込んだ歌である、hurry go round について詳しく検証される。
内容が、死について書かれていないか、またその頃の彼の様子に、変わったところはなかったか、などなど、秘密の部分に、光をあてる。お酒をたくさん飲むと、よく、危険な状態になりがちであったらしい。だからその日も、いつものことで、皆が大丈夫だと思ったそうだ。
スッポコの夫が これはやっぱ、アレだぜな、などとつぶやいている。
あんたの意見は聞いてません!
結局、一番大きな問題となるのは、死の前まで、数ヶ月ずっとロスアンジェロスで、過ごしていたということだと思う。そんな子供じみたことと、言われるかもしれないが、
外国での生活、外国の評価が、彼に何か、常ならぬものを与えて、内部を揺すったのかもしれないと思う。
強そうにしている彼であるが、内部は、とてもデリケートで、見ると、とても完璧主義であることがわかる。
歌も、ファッションも、メイクも、全てが完璧に見える。そこが問題だ。ちょっと完璧すぎって感じだ。
芸術家にありがちな、超敏感な感覚の持ち主の彼である。
理解されない悩みなどあったなら、それは苦しいものだったにちがいない。
最後に、イナが掘り起こして見つけた、hurry go round の歌声はもう、辛くて耐えられないような聞く人にも痛みが突き刺さるような声なのである。イナは驚き、編集者に連絡した。
tell me, rocket dive, そしてever free も、素敵だ。サイエンス ア ゴーゴー(?)での、すごい早口の歌はなんかすごいぞ。あれ、何? ああ、dice かな。dout の歌声もいいゾ。
スッポコの好みで、まず衣装では、ever freeの黄色いプレーリードッグのような衣装が特に大好きだ。あれとっても面白いよね。袖が広がってて、見た目のアニマルっぽい胡散臭さがたまらない。
あとは、なぜかナイロンのウィンドブレーカーのようなアッサリしたカラフルなツーピースである。
単純なものだが、彼のお気に入りだったと思う。
hide という名前を大文字にしなかった彼のことが偲ばれる。
生きていた時と同じく、謎の多い人物である。
今日の今まで、hideがなんなのかも知らずにいたスッポコは、あっという間に、hideの大ファンになってしまった。まるで、魔法にかけられたようだ。
ビブラートのかかった彼の声が耳元でひびく。
まがい物、という人もあるが、そんなことはどうでもいいのである。
彼の完璧な歌詞、メロディーは、高い極みに立っている。