スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

重力ピエロ  2009年  加瀬亮  岡田将生、他  伊坂幸太郎原作

最近久々に見たプライム映画だった。コロナと、日々の雑用と、ロビンソンクルーソーの本を探していて、てんてこ舞い。もう疲れたわ。いろいろあって。

さて、この重力の意味がよう分からんが、岡田が二階から飛んだりするが、まあ、あんまり、考えなくてもいいかと。

兄は優秀で遺伝子工学の道に、弟は絵がうまくて、自由に生きている。

全く似ていないのは、父親がそれぞれ違うからだった。弟の方は母親が、犯人にレイプされて出来た子供だったのだ。

お互いに複雑な気持ちが、交錯していく。

 

そのうち、町中に放火魔が火をつけて、ペイントで落書きの絵を残していった。

警察も未解決な、この事件、実は、弟が関係していた。絵を描いては、放火するの繰り返し、ついに警察は、精神を病んだ犯人像を模索していた。

 

弟はついに自分の本当の父親を探し当て、殺してしまう。母をレイプして逃げた卑怯な男(渡辺篤郎)。

優秀な兄は、弟の遺伝子と、レイプの犯人の遺伝子が、ぴったり合うことを実験で知る。

加瀬亮の演技には、いつも感心させられるが、(恋人だった戸田恵梨香は、松坂桃李と結婚したね。

加瀬と結婚したほうが戸田恵梨香は幸せになれると思うが)、加瀬の演技は器用貧乏のようにも感じるね。うますぎるとね。

 

兄弟の父親(小日向)(は、物静かな男だったが、癌になって死んでしまう。二人を呼んで、お前たちは、俺の子だと言う。

分け隔てなく接してきた穏やかな父親。死んでからも、二人の子供たちを見守っているかのようだ。

母親(鈴木京香)は、町中の噂に晒されながらも、生き抜いたが、事故で死んだ。自殺なのか。

 

 

弟は警察に自首する。バラバラになってしまった家族だが、二人の兄弟は、両親の愛を基にして、繋がり、また蘇るであろうと言う希望が見えてくるストーリーであった。

 

 

重力ピエロ

重力ピエロ

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

 

 

 

1722年  ペストの記憶    デフォー作100分de名著より 武田将明

ロビンソンクルーソーを描いた、イギリスのデフォーの、「ペストの記憶」a jounal of the plague year

というものだが、ロビンソンクルソーでキツイ体験をしてしまった私は、デフォーについては否定的な見方をする事がある。あまりにもリアルに描かれたクルーソーが、きみ悪いのである。実は、私自身にそっくりで、怖いほど似ている。この本は絵本で、父が買ってきて、一生懸命話をしてくれた本であった。父も私も似たもの同士だったのだろう。ロビンソンはたった一人で人生に立ち向かう。木をくり抜いてスプーンを作り、テーブルを作り、クワも作り、畑まで作って麦を育てるのだ。

木の上に家を作って住み、ヤギなどを飼い慣らして家畜にしたのだった。

完璧で万能な一人暮らし、この理想的な一人ぼっちが、デフォーの理想だったのか。人間として歪んだ人格の持ち主だなあ。

 

実は、私ごとながら、完訳ロビンソンクルーソーなるハードカバー本を、図書館で借り、失くしたのだ。

結局弁償ものである。3000円ちょっとしたが、一緒にしていた1000円の本も見失い、合計4000円の弁償額になった。まあ、デフォー様と亡父の呪いだろう。

 

さて、ペストについても、事細かに書き綴り、ロンドン市民がどのような生活をしていたかが、描かれる。イギリスは通商で、経済が成り立つ国でもあった。

贅沢品は売れなくなり失業者が多く出た。ロンドンのシティでは、上級国民が住み、贅沢な服飾や、家具などが生産されていた。金持ちたちは、馬車を仕立てて、

いち早く田舎へと避難し、残されたのは貧しい市民たちと、政治を司る局の者たちであった。彼らは市民をみすてずに指示を出しつづけた。そこには独特の神の信仰が見られた。

貧しいものらは馬さえ用意できず逃げらずにいた。

町に残った作者にも、召使が逃げ、馬も手に入らなくなった。残る事が、神の御意志だろうと直観し、生死は神の御手に任せたのだった。

大きな失望の時、人はそのようになるのではと感じた。ロビンソンも、絶望の孤島で、一人立ち上がったのであるから似ていると、指摘されている。生死が問われる時、神の御意志ならば、従ってみようということだ。

 

残った市民らの貧しいものは、死人の処理に廻されていた。だがそうでなかったら、町は死人の山で埋まっていた事だろう。

その多くのものがペストに罹患し、死んでいった。

 

気の狂う者も出た。大きな墓を掘り、毎日多くの死人が放り込まれた。

シティとは反対側のイーストエンド東の端に住んでいた主人公は、ペストの流行中心地から離れていた。

作者は、英国国教から離脱した家族で、ユダヤ人らとごちゃ混ぜの東の果ての地区に住んでいたということも大きい。

主人公は何故か町をはなれずに、記録にあたった。好奇心から墓場を覗きに行ったりした。人々の狂気の様を見て、記録して行った。

人が苦しむ様は、ある意味興味深いものだったのだろう。一年ほどか、もしくはそれ以上でペストは収まり、ロンドン市民らは、皆が兄弟のように喜んだとある。

元々、シティーの東の果てに住んでいた主人公は、西から発生したペストに対して、驚異本位で接していた。まずシティの中心地から起こったペストはすべての生活を奪っていったが、主人公は神の御加護のようなゆったりとしたものを心の中に感じ、ただ素直にそれに従った。

人間生活及び国家の危機を招きかねない恐ろしいペストの猛威である。contagionコンテイジョンという映画まで出てきて、感染の映画である。

 

ロビンソンも、同じように孤島で、神のご加護にすがって生きていたのだ。神のなさることをありがたく受けとるというのが、かれの考え方だ。

日本人にも通じる考え方であろう。

 

デフォーは徹頭徹尾、観察眼を磨き、文章を書き続けた。ペストはデフォーが5歳の時の出来事であったがそれは目に焼き付いていたに違いない

事業をおこしては失敗し、波乱万丈の人生を送ったあまりにも特異な人物であった。

 

 ペストの記憶の緻密な文章は一見に値するであろう。

 

ペスト (中公文庫)

ペスト (中公文庫)

 
デフォー『ペストの記憶』 2020年9月 (NHK100分de名著)

デフォー『ペストの記憶』 2020年9月 (NHK100分de名著)

  • 作者:武田 将明
  • 発売日: 2020/08/25
  • メディア: ムック
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラシックの巨匠  指揮者カール・ベーム  没後30年

体格(がたい)の良いおじさんである。頭蓋骨も大きいので、脳みそが詰まっていて、大学で法学を学んだが、いつの間にか音楽の道に。

音楽ががどうのこうのというよりも、この男のの指揮をしている姿がなんとも面白い!見応えがある。真面目な顔をして、にこりとも笑わずに、指揮棒を控えめに振っている。派手な指揮ではない。バーンスタインとかは、真似ができないだろう。最初から最後まで表情は微動だにせず、厳粛ささえ感じる表情と身振り、一体何考えているのやら。

サウナを浴びて、スッキリ綺麗になっったところで、服を整え、舞台に立ったごとくに見える。観客も、必死に見つめている。これは見せ物である。瞬きもしない。舐めるように、息を潜めて見守る客たち。

曲は、最初は、優しい流れのセレナーデのような交響曲29番で、多くのヴァイオリンが一斉に響く。モーツアルトの最後は不協和音でお馴染みのジュピターであった。音程の乱れは少しもなく、ジュピターは、空を駆け巡り、奏者らは、いかにもと言った面々が座って一人一人の顔も素敵な感じである。

果たしてジュピターは飛べたのか、指揮者はともかく、演奏家たちがしっかり者なので、ジュピターは飛べたようだ。指揮者はいなくても大丈夫な風に見える。ウィーンフィルとは、そういう家族のようなチームらしい。

 

 

時々ベームは痙攣のように、ぴょこんと足で飛ぶような仕草を見せる。何故だろう、興奮しているのか、

サビのところなので力が入ってしまったのか?

モーツアルトのオペラ、コジファントゥテや、ベートーベンについては彼の右に並ぶ者はいないとか。

ちょっと理解のできぬところのある 変なおじさんなところが良いのであろう。ウム。

ピーターと狼なんかもいいらしい。雰囲気そのままだしね。

 

彼の子供らは、何故か役者になっている。納得できる話である。

 

 

 

ビューティフル  マインド

素敵な心、素敵な魂、とでも言うのか。ジョン・ナッシュは,実在の数学者であるし、この前まで生きていたのだ。

なぜ美しいのか、それは、愛する数学を究めようとするひたむきな心が、切なく美しいからだろうか。ただ彼は入学した大学で既に、おかしな行動があり、新しい理論を発表して認められたが、戦争のために、その頭脳は使われていく。それは彼には堪え難いことであったのだろう。統合失調症の症状は、だっんだん強くなり、大学に、精神科の医者がやってきて、拘束されて病院におくられるのである。きつい薬と電気ショック、インシュリン治療など辛い治療が続き、一応寛解したと言うことにされた。

 

徐々に大学に戻ったジョンだが、相変わらずおかしな幻に怯えたり、唆されたりの日々であった。幻覚であるスパイはいつも彼を見張っているし、ルームメートも、少女も、本当は存在しない人々であった。

やはり復帰は無理だったようだ、と学校側からは思われた。

 

友人らは、なんとか彼の才能を守らねばと、焦るのだった。

彼の同級生の優秀な男は、今では、学長の部屋に、いや数学部門会長のような高い位に就いていた。

彼も、ナッシュの友人の一人として、プリンストン大学に残るようにと手を打つのだった。

 

彼は、部屋はもらわず、図書館の片隅を、彼の居場所として、相変わらず、窓に数式を書いて過ごすのだった。

そこには、彼を慕う学生らが集まるようになり、いつしか、彼は高度な数学の教授としてみとめられてゆく。

 

ある日、ノーベル賞の調査員が、大学の彼を訪ねてくる。

食堂に招きお茶を飲もうと誘う。ナッシュは、晴れがましいことは苦手で、この食堂に入ったことはないのだった。周囲の教授たちが、ナッシュに万年筆を捧げにやってきた。たくさんのペンが捧げられ、彼に敬意を払う様子を見て、調査員の気持ちは固まった。

 

ストックホルムでは妻が付き添って行った。いつの日も、最低の日も、いつも彼を信じ健闘した潔ぎよさ。

 

それは、不思議な数式であったのかもしれない。

 

その後、彼らは劇的な生涯を終える。

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