未来の地球では、テレビが人間を支配するようになっていた。皆がテレビの言うことを聞いて行動し 思考しなくてもてれびのいうとおりにうごけばよいのだった。
その代わりに本(books)はすべて焼かれるようになった。本を読むことは罪となった。
本を所蔵するだけでも罪だった。
これじゃあ図書館戦争どころではないね。
このような未来都市において、本を焼くのは消防署の人達であった。本があると言う情報をつかんだら 速やかに出動して、華氏451度のバーナーでやくのである。摂氏233度の高温であり、この温度がちょうど本という厚ぼったい物をも焼くことができる温度であるそうな。
本というものは意外にも焼けにくいものらしい。
消防隊員のひとりであるモンターグは、まじめで黙々と仕事をする男だった。それが認められて、この度昇進することがきまっていて、よろこんでいた。
給料が上がったら もう一台テレビが買えるのだし、妻のリンダも喜ぶだろうと思っていた。
妻は毎日テレビに夢中で、テレビばかり見ていてテレビの言う通りに動いていた。しかし何故か精神的に追い詰められていて、無意識に睡眠薬を飲むような生活を続けていた。
モンターグは、まだ若く、ロシア風の金髪で何処か優しげな感じもあった。
あるひ、クラリスという若い女に出会う。彼女はルールに囚われずに 自由に行動する感じに見えて、新鮮な気持ちになるモンターグであった。実はリンダとクラリスは皮肉にも同じ女優が演じている。
クラリスから本をもらい、持って帰って読むようになってしまった。
自分の社会的役割とは逆の罪となることをするために。
読むのは、チャールズディケンズの「デヴィッドカッパーフィールド」であった。
妻はそれに気付き、消防署に密告してしまう。
追われる身となったモンターグは、クラリスの手引きで、森の奥へと逃げるのだった。
森の奥には不思議な村があるのだった。
「本の村」であった。
これも図書館戦争どころじゃあないね。
本を愛する人々が集まり、権力の手の届かないところで、自由に本を読み、本を完全に暗唱してしまう村。
だから消防隊に見つかっても、本はないので大丈夫なわけです。
覚えた本から焼いてしまうのです。
それはそうと、世界の名著を暗記しつつ歩き回る人々は、アナログのの極致であるが、美しい見ものである。。もし本当にそんな村があったなら、本当にそんな人達がいたらと思うと まんざらでもないだろう。彼らは本そのものなのである。
文学もここまでくると、恥ずかしくて、うわー!って感じですよね。
監督はトリュフォー監督である。彼は英語があまり出来ないので苦労もあったらしいが、彼らしい作品とはなっている。