「男性都市」っていう題名に惹かれて見たのだけど、これ結構スッキリとしていておもしろかった。
大物大根役者と言われるジョンウェインの役は、ピッツバーグの炭鉱で働く貧しき男だった。気の合う仲間とアパートを借りて二人で住んでいたが、家賃も滞りぎみであった。
しかし真っ黒になって働き、何も気にしなかった。ある夜、綺麗な女と出会い、(彼女はかの有名女優マレーネデートリッヒがやっている。)が、彼女からハッパをかけられて、炭鉱の社長になることを宣言してしまう。そして、ちょっと汚い手も使いながら、友人とビジネスを開拓して石炭の会社を起こし大きくするのだった。マレーネはジョンを好きだったがジョンは仕事の為、社長の令嬢と結婚してしまい、マレーネは孤独になる。マレーネというお金のかかる女優を起用したのはジョンをひきたてるためだろう。映画にハクがつくからね。宣伝のためにもなるし。
会社はどんどん大きくなり、国の要請に応える会社にまで成長した。しかしジョンの結婚は失敗し、
おまけに事業からも追い出されるという大きな痛手を負ってしまい失意のどん底に突き落とされた。
其の頃マレーネは、炭鉱のエレベーターで墜落し、大けがを負い死にそうになった。
ジョンは初めて改心して 今までの独断的、横暴なやり方を心から反省するのだった。
マレーネは奇しくも助かり、ジョンも加わってみんなで、会社を大きくすることを誓い合うのだった。
ドクター兼科学博士の気だてのよいおっさんが、男達の相談役となって陰日向に助力する。きびしいビジネス世界のオアシスとなり、いい感じで演出できた。博士は見たことのある俳優だったが、よくわからない。ただ彼は石炭バカで、研究ばかりしているのだった。皆から信頼されている唯一の安全キャラだ。
どちらにしても全体にいやらしさが無いところが凄いのだ。
ジョンウェインが、このような俳優だと知らなかったし 、よくできた脚本で よくできたチームワークのもとでつくられた映画であることが、ジョンの弱点をすっかりカバーして、より良い作品となっている。
良き時代の手作り感とその感の良さなどが凄い映画、ジョンを落とさずに、立派に運ぶ映画作りの
やる気でとうとうジョンの主役としての面目をはたさせた。
大ヒット映画というのでは無いだろうが、うまくまとめたもんだ。
歌手のマドンナを彷彿とさせるマレーネの肢体は、なるほどと思わせるものがある。