スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ビリギャル 2015年

工藤さやかは、なぜか小学校になじめず、そのため、2度も転校していた。そんな気の弱い女の子であった。

出演は主役、有村カスミ、  塾の先生、伊藤淳史、父、田中哲司    母、吉田羊 などである。

 

母親は、あーちゃんと呼ばれ、あまり出来の良くないさやかを、かわいがり、私立校に入学させて、

好きな事ばかりして暮らせというのだった。それは、暗かった我が子を何とか明るく人生を歩かせるための精一杯のことであった。

 

高校までさやかは、勉強一つせずに呑気に過ごし、結果、おちこぼれほどの学力や常識しかない子になっていた。

高校でもその学力のなさが問題となり、卒業が危ぶまれるほどになっていた。

母は心配して 塾に行かせることにした。

その塾の先生は、超柔軟な心で生徒と接していてさやかの気持ちをつかんだのだった。

先生役に、個性的な伊藤敦史が、かなり本気でがんばったとおもう。

塾長にはあの懐かしい、あがた森魚(もりお)が扮している。なかな気づかない。

小学生のドリルから始まり、だんだんと上に上がって行くのだ。中学生の英語もクリアーしたあたりで 

勉強は本格的になって行く。苦手な日本史、小説も読み込み、英語の長文も徐々にできてきた。

小論文のコツもわかってきた。元々、反骨精神のあるさやかであったので 、 着目に優れており論文は結構良いものができるのであった。

これらの膨大な勉強をコツコツとこなし、学校にも行き 友達とも夜遅くまで遊びもした。

もうスケジュールは パンパンであった。

ある日友達が、そんなさやかの事に気付き、「もう遊びーに誘うのはやめるよ」と告げる。

さやかの、一生懸命な気持が本物だとだと気づいたからだった。

何度も何度も、学習の壁にぶつかりながら すすんでいく。

塾の先生も 必死であった。マンツーマンで 的確な指導が投下された。

それが幸いして  何とか 伸びて行く学力。塾は毎日通う事になった。

母親は、塾の支払いのために二つの職を兼ねるのだった。

父親は、さやかのことをバカにしていて 「慶応大」なんて絶対入れないのに お金は出さないというのだった。彼には彼の理屈があって 息子の野球人生にかけていたのである。ただ、息子の人生に踏み込み過ぎて 逆に反感をかっていたのであった。

息子は父に黙って勝手に野球部をやめてしまい、 父親は本心から愕然とするのだった。

 さやかの模擬試験の結果は、はかばかしくなかった。慶応にはまだまだ手が届かない。

過去問題を見たさやかは問題の難しさに慄いた。もうだめだとおもってしまう。

しかしまた先生の言葉や、必死に働く母の姿を見て、もう一度奮起することを 誓うのだった。

母の為に 、父を見返す為に、兄弟の為に頑張るさやか。やはり長女の鏡である。

 

 

 

 

本番の試験の日は急にお腹が痛くなり試験の間に何度もトイレに通ってしまい、大失敗をしてしまう。

しかしそれでもさやかはあきらめてはいなかった。

スッポコならこんなの絶対無理ですわ。一度挫けた気持ちはなかなかもとに戻らないもの。

二日目の論文に賭けて踏ん張るさやか。観ている方もハラハラで有る。

 

論文は上手くいき、ついに 入学をてにする。

 

特別優秀でもない、特別強くもない平凡な人間が平凡に頑張る姿になぜか共感をしてしまうスッポコ。

その気持ちよくわかるよ、がんばれよと、涙がでてくるんです。

よろこびあう人々。

 

  有村架純の平凡な顔は、ともすれば流れてしまうような映像なのだが その平凡さが、かえってリアルとなっていて、みじかな現実であるかのようにおもわれるのである。

離れて住んでいるスッポコの娘にそっくりな有村架純である。茶色いロン毛に、つけま、軽い若者ファッション、そんなものに包まれた主人公がどうしても娘と重なってしまう魔法の様な映像だ。

さすがだよね。

今は朝ドラで活躍中の有村架純 は、万人受けする魅力を持ったタレントと言う事で、そこに価値があるんだよ。

 

 

 

 

 

 

Fahrenheit (華氏)451 1966年

未来の地球では、テレビが人間を支配するようになっていた。皆がテレビの言うことを聞いて行動し 思考しなくてもてれびのいうとおりにうごけばよいのだった。

その代わりに本(books)はすべて焼かれるようになった。本を読むことは罪となった。

本を所蔵するだけでも罪だった。

これじゃあ図書館戦争どころではないね。

 

このような未来都市において、本を焼くのは消防署の人達であった。本があると言う情報をつかんだら 速やかに出動して、華氏451度のバーナーでやくのである。摂氏233度の高温であり、この温度がちょうど本という厚ぼったい物をも焼くことができる温度であるそうな。

本というものは意外にも焼けにくいものらしい。

 

消防隊員のひとりであるモンターグは、まじめで黙々と仕事をする男だった。それが認められて、この度昇進することがきまっていて、よろこんでいた。

給料が上がったら もう一台テレビが買えるのだし、妻のリンダも喜ぶだろうと思っていた。

妻は毎日テレビに夢中で、テレビばかり見ていてテレビの言う通りに動いていた。しかし何故か精神的に追い詰められていて、無意識に睡眠薬を飲むような生活を続けていた。

 

モンターグは、まだ若く、ロシア風の金髪で何処か優しげな感じもあった。

あるひ、クラリスという若い女に出会う。彼女はルールに囚われずに 自由に行動する感じに見えて、新鮮な気持ちになるモンターグであった。実はリンダとクラリスは皮肉にも同じ女優が演じている。

 

クラリスから本をもらい、持って帰って読むようになってしまった。

自分の社会的役割とは逆の罪となることをするために。

読むのは、チャールズディケンズの「デヴィッドカッパーフィールド」であった。

妻はそれに気付き、消防署に密告してしまう。

 

追われる身となったモンターグは、クラリスの手引きで、森の奥へと逃げるのだった。

森の奥には不思議な村があるのだった。

「本の村」であった。

これも図書館戦争どころじゃあないね。

  本を愛する人々が集まり、権力の手の届かないところで、自由に本を読み、本を完全に暗唱してしまう村。

だから消防隊に見つかっても、本はないので大丈夫なわけです。

覚えた本から焼いてしまうのです。

それはそうと、世界の名著を暗記しつつ歩き回る人々は、アナログのの極致であるが、美しい見ものである。。もし本当にそんな村があったなら、本当にそんな人達がいたらと思うと  まんざらでもないだろう。彼らは本そのものなのである。

文学もここまでくると、恥ずかしくて、うわー!って感じですよね。

 

監督はトリュフォー監督である。彼は英語があまり出来ないので苦労もあったらしいが、彼らしい作品とはなっている。

 

 

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男性都市 1942年 ジョンウェイン

「男性都市」っていう題名に惹かれて見たのだけど、これ結構スッキリとしていておもしろかった。

大物大根役者と言われるジョンウェインの役は、ピッツバーグの炭鉱で働く貧しき男だった。気の合う仲間とアパートを借りて二人で住んでいたが、家賃も滞りぎみであった。

しかし真っ黒になって働き、何も気にしなかった。ある夜、綺麗な女と出会い、(彼女はかの有名女優マレーネデートリッヒがやっている。)が、彼女からハッパをかけられて、炭鉱の社長になることを宣言してしまう。そして、ちょっと汚い手も使いながら、友人とビジネスを開拓して石炭の会社を起こし大きくするのだった。マレーネはジョンを好きだったがジョンは仕事の為、社長の令嬢と結婚してしまい、マレーネは孤独になる。マレーネというお金のかかる女優を起用したのはジョンをひきたてるためだろう。映画にハクがつくからね。宣伝のためにもなるし。

会社はどんどん大きくなり、国の要請に応える会社にまで成長した。しかしジョンの結婚は失敗し、

おまけに事業からも追い出されるという大きな痛手を負ってしまい失意のどん底に突き落とされた。

其の頃マレーネは、炭鉱のエレベーターで墜落し、大けがを負い死にそうになった。

ジョンは初めて改心して 今までの独断的、横暴なやり方を心から反省するのだった。

マレーネは奇しくも助かり、ジョンも加わってみんなで、会社を大きくすることを誓い合うのだった。

ドクター兼科学博士の気だてのよいおっさんが、男達の相談役となって陰日向に助力する。きびしいビジネス世界のオアシスとなり、いい感じで演出できた。博士は見たことのある俳優だったが、よくわからない。ただ彼は石炭バカで、研究ばかりしているのだった。皆から信頼されている唯一の安全キャラだ。

どちらにしても全体にいやらしさが無いところが凄いのだ。

 

 

ジョンウェインが、このような俳優だと知らなかったし 、よくできた脚本で よくできたチームワークのもとでつくられた映画であることが、ジョンの弱点をすっかりカバーして、より良い作品となっている。

良き時代の手作り感とその感の良さなどが凄い映画、ジョンを落とさずに、立派に運ぶ映画作りの

やる気でとうとうジョンの主役としての面目をはたさせた。

 

大ヒット映画というのでは無いだろうが、うまくまとめたもんだ。

歌手のマドンナを彷彿とさせるマレーネの肢体は、なるほどと思わせるものがある。

 

 

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アニー 金曜ロードショウ 2014年

今回は、あまりにひどいので、胸が悪くなりました。話になりません。

 

 

 

アニー(字幕版)

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